俺が実家まで片道1時間半位のところに住み始めて5年目位の時だったかな?
実家は東京下町の商店街で開業している個人商店。
自分の仕事は実家の商売とは全く関係ないし、当時はひと月かふた月に1回くらいしか実家には帰らなかった。
ある日、ふと、何の脈絡も無く、いきなり、飲食業用白衣を着た初老の女の人が頭に浮んできて、「あれ?誰だっけ?」ってなり、頭から離れなくなった。
見覚えがあるはずなんだけど思い出せない。
なんかモヤモヤした日が続いた。
で、少しして実家に帰った時、母が世間話を始めてすぐ、「ほら、商店街の○○パン屋、おまえ高校生の頃たまに買っていた、あそこのおかみさん、亡くなったんだよ。」と言ったので、はっきりと思い出した。
頭に浮んだおばさんは、パン屋のおかみさんだった。
でも、ここしばらくは買い物はしていないし、昔も俺はたまに買い物するだけで、余計な話はしないで普通にお金を払うだけの客だったのに・・・。
亡くなったのが、俺の頭にいきなり浮んできた時期とほぼ同じで、ちょっと不思議。
俺はたいした客じゃなかったのに、商店のおかみさんらしく、最期の挨拶に来てくれたのかな?