そんな仕掛けはなかったはず

大学生の時の話だが、うちの学部は1年生が毎年、文化祭でお化け屋敷をするのが恒例だった。
で、そのお化け屋敷の噂なのだが、毎年本物がでるという話。

お客さんに感想を聞いたら、「あの、天井からすっと出てきた生首が怖かった・・・」と言われたが、そんな仕掛けは作ってなかったり、お化け屋敷を制作する作業中に、壁から手が出てきたとかそんな噂。

まあ、先輩が後輩を怖がらせるために作った、作り話が代々受け継がれたのだろうと、幽霊的なものを全然信じてなかった俺は聞き流して、同じ学部の奴らが盛り塩とか、お清めにお酒を撒いてのを見て、面倒くさいなあとか思ってたんだけどね・・・。

それがあったのは確かもう文化祭の開催間近だった。
みんな、夜まで残ってお化け屋敷の完成を急いでいた。

俺も自分の作業を遅くまで残って作業をしてたんだけど、作業がもう一区切りついたんで、切り上げて帰ろうと思ったわけだ。
外は真っ暗になってたし・・・。

で、帰ろうと思ったんだけど、お化け屋敷はもうちょっとで完成ってくらいには仕上がってたから、ちょっと、ほかの皆に挨拶がてら、お化け屋敷のルートを一周して見ようと思ったわけだ。

入口から入って、進もうと思ったんだけど、夜だし、遮光してあるので、その時間も作業を続けている所以外、まあもう完成してる所とかは真っ暗だったわけだ。
だから、携帯のライトをたよりにルートを進む。
所々まだ作業をしてる人たちに挨拶をしつつ、進んでいった。

で、最後の方の部屋。

そこには、マジックミラーの仕掛けがあって、反対側から強い光を当てないと、鏡に見える。
だから警戒しないで鏡と思って近づいたら、その向こうに隠れてる人が強い光と一緒に現れて驚かすって仕掛けがあったんだよ。
で、そこはもう完成してて誰もいなかったし、真っ暗だった。

でね、ちょっとした好奇心で、俺は自分の顔を携帯のライトで照らして、その鏡に自分の顔をうつしたんだよ。

するとそこには、すごく青白い顔で、眼はまるで穴があいているかのように暗く、で、その目からは、黒い涙のようなものが流れてる。
そんな自分の顔がうつったんだ。

声こそ上げなかったけど、俺は驚いて、反射的に自分の顔にあてていたライトを顔に向けるををやめた。
で、少し考えて、ああ、顔が青白かったのは、携帯のライトがそんな感じの色だし眼が暗かったのは、たぶん、光の当て方の所為。
で、黒い涙は、首にイヤホンかけてるから、その影かな!

なんて考えて、でも、もう一度鏡をのぞく気にはなれず、その日は帰ったんだわ。

でね、後日。

文化祭前日。
何とかお化け屋敷も完成して、だから皆で完成したお化け屋敷を回ってみようってなってね。
照明とかの配置もしてあるし、携帯のライトなんかで照らすよりずっと明るい中、完成したお化け屋敷をめぐってたんだわ。
で、例の鏡の部屋に来た。
そこで俺は違和感を感じたんだよ。

で、その正体にはすぐ気付いた。

俺は、一人で回った時は、まっすぐ立ったまま、自分の顔に光を当てて、鏡をのぞきこんだんだよね。

でも、皆で回った時は、明らかに、中腰にならないと顔がうつらない位置に鏡があった。

慌ててそこのフロアを作った人たちに確認とったんだけど、鏡は最初に設置してから一度も動かしてないらしい。

さて、俺はなにを見たんだろうねぇ。

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