その写真は送ってはいけない

カテゴリー「心霊・幽霊」

六年ほど前の話です。

千葉に住む友だちの家にパソコンの設定を頼まれて訪ねた時のこと。
設定中、友だちが何だか落ち着かないように私に話しかけてきました。

友達:「あのさ、昨日、近所で火事があったんだけどさ」
私:「それで?」

友達:「写真撮ったんだけど、何か変なモノが写っている気がして」
私:「どれ」

私が友だちのデジカメの液晶画面で確認すると、友人宅の窓から写したもので、真っ黒な煙が上がっているようだが、解像度が低くてよくわからないので、とにかく友人のPCに取り込んで大きく見てみることにしました。

確かに真っ黒な煙が人の顔のようにも見えます。
ちょっぴり私は気になりました。

友達:「この火事でさあ、一人暮らしのじいさんが亡くなったんだよね」

余計に気になりました。

早速、この当時交流のあった心霊系サイトの仲間に見てもらおうと思い、私の持ってきていたフロッピーに画像をコピーしようと試みました。

その時です。

友人宅のリビングにあった高さ1メートルほどの置物が突然、「バタン」と音を立てて倒れました。

私と友だちはビクッとして、そちらを眺めました。

友達:「まさか、これって心霊現象?」

友人がまじめな顔で言います。

「まさか・・・風だろ」と私。
実は相当びびりました。

だって、リビングは窓がぴたりと閉じられ、空調も入っていないし、何よりもその置物は重心が低く、自然には倒れないものでした。

それはあまりに不自然な現象でした。

気にしないようにして、家に戻ると早速、心霊サイト仲間にメールをしました。

一枚あたり100KB未満だったので、それほど負荷無く送れるはずでした。
が、いつもよりも送信に時間がかります。

おかしいな・・・と思っていると、仲間から返信が『送られてきた画像が開けない』と。

データが化けかな?と思い再送すると、『やはり見られないが、違う画像を送ったのか?』と妙な質問。

私は「?」と思い、理由を聞くと、『さっきよりファイルのデータ量が増えてんだけど。』と。

まじ?と思っていると仲間からさらに、『放っておくと画像ファイルのデータ量が勝手に増えていく。ウィルスに感染したかもしれないから、削除する。』との返信が来ました。

おかしな事もあるものだと思い、私はやむを得ず自分のホームページ用のスペースに問題の画像をあげてみましたが、仲間たちからは『解像度が悪いのでよくわからない。』との返事。

当時の低解像度のデジカメだったので仕方なかったのかもしれません。
それにしても、通常に比べて画像の転送速度が容量の割に遅いのはやはり気になりました。

で、とりあえず0時をまわったので、作業を終えて私は床につきました。

変な夢を見たのはその晩のことでした。
時間は二時過ぎ頃かと。

暗闇の中、一人の老人が苦しそうに私に何か訴えるように唸っています。
顔だけしか見えないのですが、「うー、うー、うーーーーーー」と、唸っています。

しかも暗闇は徐々に赤味を増し、炎の中のように感じられました。

老人:「うーーーー、うーーーー、うーーーーー」

うなり声がピークに達した時に私は目が覚めました。
耳の中にまだ老人の唸り声が・・・。

そんなはずはありませんでいた。

「ウーーーーーーーーーーーーーゥ」と今にも止まりそうな消防車のサイレン。

何だと思い外を見て私はビビリました。
曇りガラスの向こうに、消防車の赤色灯と、赤々と揺らめく炎。
斜め向かいの家が火事になったのです・・・。

ここは建物が密集している下町・・・万が一延焼をしたらまずいので、すぐにでも逃げる準備をしようと立ち上がると、私のPCは起動したまま、問題の画像は出っぱなし・・・「まさか、これが原因?」寝ぼけていたせいか素直にそう感じた私は、フロッピーやPCにあったものや、UPしたものまですべて消去していきました。

そのうちに火は収まり、大勢の野次馬が集まる中、消防車は引き上げて行きました。

火事と画像とは何の関連性も無かったのかもしれませんが、ちょっぴり怖い思いをした夜でした。

でもその画像は残しておかなくてよかったと今でも信じています。

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