保育所か幼稚園に通っていたころの話だけど、天井舐め見たことあるんだよ。
うちの家は築50年くらいで古いっていえば古い家。
その日は、理由は忘れたけど、なぜか離れの部屋でじいちゃんとばあちゃんと3人で寝てたんだ。
その部屋で寝たのは俺の記憶の内で、それが1回限りで偶然だったのかはわからない。
夜中、じいちゃんとばあちゃんに挟まれる形で寝てて何故か不意に目が覚めたんだ。
もちろん上向いて寝てたから目が覚めれば天井が目に写った。
すると、左下の方の天井が妙に明るかったんだよ。
それで、明かりの方を見てみると、左手で天井の板を開けて、右手に昔のろうそく立て?みたいなものをもっていて、開けた天井の隣の板をほんと長い舌でべろべろ舐めてたんだ。
ガキだから夜中にそんなもの見れば怖いはずなのに、俺は不思議と怖いという感情は沸かずに、何だあれ?って感じだった。
それで、しばらくそいつを見てると相手も視線に気づいたのか、こっちを見て目があってしまったんだ。
そしたら、そいつはハッとした表情になって一瞬固まって、次俺が瞬きした瞬間にはもういなくなってた。
あのころは妖怪なんてまだ知らなかったし、あのころの想像力じゃ今でもはっきり覚えてるくらいリアルな夢は見れなかっただろうから夢ではないと思ってる。
まぁ、俺のオカルト好きはこれがきっかけになったな。
ちなみに、翌朝天井を見ると、舐めたような大きな痕がしっかり残ってた。
俺は妖怪を信じてる。