昔話。
17年前、新入社員で入社し、欲しかった車を新車で買った。
夜な夜な乗り回し、遠出もよくした。
夏になると当然、きもだめしツアーなるものを企画する事になる。
某市に二股なる地名の場所がある。
山奥の右股と左股の間にはトンネルがあり、有名な心霊スポットだ。
若者は怖いもの知らずである。
はじめは車から降りずトンネル内で停車し、無線(当時パーソナルがはやってた)で他車と話をするくらいでいたのだが、すぐに刺激が足りなくなる。
降りて歩く事になった。
当時はデジカメなんて便利なものもなく、普通のフィルム式のカメラだったが写真を撮りまくった。
きもだめしツアーは不発に終わり、期待はずれであった。
ファミレスで次週は峠(某市はずれの湖)に走りにいく約束をし(当時走り屋)写真の現像を友人が請け負った。
早朝に洗車をしようと、皆で洗車場に向かった。
この時俺の車のルーフにおかしな物を発見。
一面に子供の手の痕がある。
この時の恐怖は言葉では言い表せない。
残念ながら落ちないと言うことはなく、きれいにワックスをかけて帰宅。
明るい時間になっていたこともあり、それほどの恐怖もなく就寝。
夕方、大きな物音で眼が覚めた。
2階の窓から音のした物置を見下ろした。
物置の屋根の中央に、大きな足痕がひとつだけある。
戦慄した。
当時、携帯もなかったこともあり、無線で仲間に呼びかけた。
残念ながらノーメリット。
夜になり皆の自宅に電話をし、全員の無事は確認でき、翌週の集まりは問題なく集まることを確認した。
写真の現像を請け負った友人、3日後上記の峠で事故死してしまった。
この時の写真は、見ることが出来なかった。
これが良かったのか、悪かったのかは現在では知るすべがない。
この時の車は未だ俺の元で実用車。
18年目24万キロ走行でも元気だ。
因果関係は不明だ。