去年の3月下旬~4月上旬にあったことです。
初めてのそれは私がそろそろ寝るか・・・と横になったものの寝付けずにいる時に始まりました。
右側から音が近づいてくるのです。
ウォン、ウォン、ウォン・・・。
音は周期的で無理矢理聞こうと思えばお経の様にも聞こえなくもない。
そんな音。
音は次第に大きくなり、窓からごく自然に室内に侵入してきました。
その音は回転をしているようで、音が近づいたり、遠くなったりを繰り返しながら、私の真上80センチの辺りを旋回しているようでした。
金縛りとかそういうモノは一切ありませんでしたが、音はすれども姿は見えずで、怖すぎて手を伸ばす気にもなりません。
そうこうする内に音は左側の台所へ抜けていきました。
そこでもやはりグルグルと回転してる様な感じで、しばらくするとその音は私の隣の部屋に入り、最終的に隣の部屋と寝床の襖の辺りを出たり入ったりを繰り返し消えました。
後日、これも深夜になりますが、作業中にやはり音がやってきました。
今回は寝ていませんから、入眠時幻覚ではありません。
その音の正体に何となく目星をつけていた私はその音の鳴る場所に首を突っ込んでみました。
音は大きくなりましたが、しばらくすると音は消えました。
周波数50~60ヘルツくらいの音。
周期的なモノ、近所の送電線・・・・・・電気的なモノだと思っています。
私の部屋の裏手は山になっていて、気味の悪い一本の木が見える。
その木は夜になると傍に立っている青い光を放つ街灯でさらに気味が悪く見える。
私は何となくその薄気味悪い木を誰かに見せようと写真を撮ってみることにした。
時刻は深夜、気味が悪いので部屋の中からコンデジ撮影を決行。
試行錯誤の末、ナイトモード撮影を行うが手ブレで上手く撮れない。
ナイトモードは露光時間が長いため、手ブレが起きるといかんのである。
そこでカメラを物に固定して撮影をすることにした。
木を上手く画面に収めて、シャッターボタンを押した直後、変な音が山の方から聞こえた。
ポッ・・・、ポッ・・・、ポッ・・・、ポッ・・・、ポッ・・・、ポッ・・・。
断続的かつ周期性を帯びた謎の音。
最初小さかったその音は少しずつ大きくなってくる。
私はカメラ越しに外を窺うがおかしなものは何も見えない。
とうとう音は私のアパートの敷地内から聞こえるようになった。
それでもおかしなものは何も見えない。
カメラのシャッターが下りた音と「ポッ・・・」という音が玄関のドア越しに聞こえたのは同時だった。
私はカメラを手に取り、窓を閉めると、そのまま布団にもぐりこんだ。
何がカメラに収められたのか怖くて見ることも出来なかったが、数日後、意を決して見てみると、そやっぱりは普通の写真があった。
あの音の正体はまだ不明。
八尺様の「ポ」もこんな感じなんだろうかと思った音の怪でした。