
今から20年ほど昔、都内某所での出来事。
金のなかった自分は不動産屋にわざわざ指定して事故物件を探してもらった
見つかった部屋は山手線、埼京線主要駅から徒歩15分の風呂なし玄関トイレ共同の4.5畳当時の同スペックの部屋の相場の1/3の家賃だった
幸いな事に安い物件のありがちな心霊現象に悩まされる事もなく快適に暮らしていた。
風呂がなくともアパートから1分も歩けば銭湯もあり、家賃と月の銭湯代を照らし合わせれば風呂付きに住むよりはるかに格安。
掃除しなくていい大浴場があり、トイレ共同といえど裏を返せば管理人が掃除するので自分が掃除しなくていいトイレなので考えようによってはとても快適だったと思う。
ある日、何かの飲み会で泥酔して帰宅したが、何か飲み足りないので飲み直しと自分に言い訳しつつ冷蔵庫の中から缶ビールを取り出し飲もうとしたところ・・・なにかいる。
姿があるわけではないが明らかに何かいる。
しかし、こちらももうベロンベロンだし、なにより事故物件だと理解して住んでる前提だってある。
そこで一言「ビール飲む?あとでおさがりもらうけど」と、”それ”に尋ね自分の分とは別にひと缶開缶した。
翌朝、目が覚めたらその缶は空になってたの多分おさがりによばれたのは間違いないけど、それ以来奴を感じることはなかった。
後日、バイト先で話すと意思確認、意思疎通もはかれない相手を問答無用で清めたんじゃないのか?とか、お化けの人かわいそう・・・とか、散々悪者にされた・・・。