怖いことっていうか、口あんぐりで終わった話・・・。
八ヶ岳の裾のほうの高原には北海道並みの広大な牧場や畑があって、ゆるいアップダウンで、道がひたすらまっすぐ続く場所がある。
その畑の中で写真を撮っていたんだけど、手元のバッグの中を整理していてふと顔を上げたら、20mくらい先にある道の山側はるか彼方から小さな2つの黒い点がやってくるんだ。
え?何?熊?とか一瞬混乱してるうちにも点はどんどん近づいてきて、姿がはっきり分かってくる。
え?タイヤ?事故?なんで?とまたまた混乱してる間に、とうとう目の前を通り過ぎて、ゆるい下りになっている道をひたすら転がっていくタイヤ2輪・・・。
なんだか呆然としてしまって、追いかけるって考えも浮かばなかった。
そのあと同じ道を山側へ向かっていったんだけど、事故の形跡はなし。
それに直線とはいえ田舎道だからでこぼこだし、まっすぐ転がり続けることはあり得ない・・・。
じゃあ俺が見たのは一体何?と今でも不思議な経験です。
長野県南牧村の高原のど真ん中で、八ヶ岳のほぼ全貌が見える開けた場所。
初夏の真っ昼間、薄曇り(薄晴れ)だったけど残雪わずかな山がきれいに見えて、「ドラマ高原へいらっしゃいの山だよ~」とか思って淡々と楽しんでたんで。
件の道は国道141号と交差する農道。
農繁期前だったからたま~に農家の車や大型トラクタが通る程度だったけど、寂しい場所という印象は皆無。
タイヤ見たとき、最初はどっきりかなんか?と思ったんだけど、もちろん俺をひっかけてもなんの価値もないし、そんなの仕込んでる連中の影はどこにもない。
三菱車がエンコしたような形跡も。
いたって穏やかな田舎の高原の昼下がり。
こじつけるとすれば、野生の狐がちょくちょく出る場所ではあるらしいけど。
日常生活にはなんら支障ないつもりだけど、実は俺の頭がおかしいのかしら・・・。