中学生の冬休みのときだったよ。
雪が沢山降ったから、友達と馬鹿でかいかまくらを作って遊んで、高さ2m、直径2mぐらいの大きさで、作った日に水をかけて凍らせてたからビクともしなかった。
かまくらができてから3日目。
朝8時頃、一人で中に入ってウキウキしてたところ、突然かまくらが崩れてさ大きかったから俺は完全に雪に埋もれたよ。
当然、俺は落ちてきた雪と氷の塊を押しのけようとしたんだが、持ち上がる気配などカケラもなかった。
その数秒後、外から誰かが蹴りつけてきた。
肌がはちきれるような痛みと、体を押しつぶすような重み。
あんまり下腹部を圧迫するもんだから、中で失禁してた。
ああ、死ぬかもな俺。
惨めだなー・・・・・・。
一分ほど経って、苦しいのも痛いのもわかんなくなって、そんなこと考えていると蹴りが止んで、同時に「どうした!」という声と白い光が漏れてきた。
俺が埋まったのが朝早くて良かったとつくづく思う。
出勤時の父親が異変に気づいて助けてくれたらしい。
「何かに蹴りつけられて死にそうだった」と言うと「薄汚い怪しげな黒い奴」がかまくらの上に立っていたことを聞かされた。
父親は一応警察に届け出たそうだが、どうなったんだか。
しかし疑問なのは、父親は「ただ立っていた」と言ったこと。
あの硬いかまくらの表面には確かに裸足の跡が残っていたというのに。