あの巫女の霊は払うことができない

カテゴリー「心霊・幽霊」

北陸地方某所、私はバス釣り、ヘラブナ、マスなど淡水魚全般の釣りとドライブが趣味のさえない会社員だ。

その日も休日で山道を越え高速も使い自宅から約2時間半かけて有名な釣りスポットのダム湖に脚を伸ばした。

ヘラブナ釣りの竿を出し途中コンビニで買った朝食を食べのんびりと釣りを楽しんでいると、ふと対岸の方に真っ赤な鳥居が見えた。

しかし霊感のない私でもこの鳥居を見た瞬間何とも言えない不気味な感じ、異様な空気、そして背筋に寒気を感じた。

でも好奇心が勝ったのかこの鳥居をくぐって神社に行ってみようと決意。
ちょうど昼12時を回っていたのでこの神社を見学して参拝してから、町に下って遅めの昼を食うか・・・そう思って脚を進めた。

この鳥居の場所は何と道沿いでダムの駐車スペースからもほど近く、遊歩道も整備されている。
しかし観光客やハイキングの客の姿は全くない。
それにこの鳥居もきれいに紅く塗られている。

そんなこんなで私は夏の心地よい風にあたりながら参道、(50段は有っただろうか)を登ると、これまた立派な本殿が見えて来た。
それにその本殿を見た瞬間、その前にその鳥居を目指して歩いていると、いつの間にか不気味な感じはきれいさっぱり消えていてなお且つ体が楽になったようにも感じた。

そしてあたりを散策して10円玉をおさい銭として入れ参拝し帰ろうと思った瞬間、美しく長い黒髪をなびかせた年は20代であろうか巫女さんが私を見つめていた。

しかし表情が変だ。
それも異様な無表情・・・。
それにその巫女さんの姿は自分が参拝を終了するまで見かけなかったし。(いたら姿とか見えるはず)

それでゆっくりと歩きながら、素足に草鞋をはいて、すっ、すっと音を立て「ゆるさない、ゆるさない」と言いながら歩み寄ってくる。

そうその瞬間、あの時最初鳥居を見た時と同じ不気味で異様な空気になって、それにこの美しい巫女さんもこの世のものではないと直感した。

でもその場から逃げようにも脚が鋤くんで動けない。

しかし、次の瞬間えい!っという声とともに巫女さんの姿が消えた。
そして消えた目線の先にはさっきまでそのダムでバス釣りをしていた青年が立っていた。

その青年は「いや・・・あなたがヘラ釣りを終わらせてこの鳥居に入っていくのを見たので、もしやと思い後を付けたんです」と。

さらに青年は「実はこのダムの底は25年前ダムの底に沈んだんですで僕はその時まだ一歳だったけど、実はその村の住人でしたで、その時に村の真ん中にあった神社もこの場所に移転したんです。それでさっきの霊はこの神社でお勤めを終えて自宅で自殺した巫女さんです。その自殺の理由は定かではありませんが自殺したのはダムの底に沈む前、移転の前らしく、あまりにも巫女さんの無念の思いが強すぎて魂まで成仏せずそっくりそのまま移転してしまったのでしょう。」

「ちなみに僕は霊媒体質がありますが、今の僕の力では塩を使って一時的に追い払うことしかできません。さあ早くあの巫女の霊が戻って来るうちにここを離れましょう」

こうして私はこの神社を後にし、帰り際に青年の名前を聞こうと思ったが、青年は名乗るのは理由があり無理ですと答えた後、すぐに車を出し走りさった。

今となってはこの私の体験は恐い思い出として記憶の片隅にあるのみだ。

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