子供の頃、親に殴られたり腕へし折られたりって虐待されると大体見る夢があった。
木彫りの天使が2体おかれた教会で祭壇には多きな十字架とマリア像が飾られていて、マリア像はピンクの服に青いラインの入った白いベールで両手を開いて優しく微笑んでる。
私はマリア像を「お母さん」と呼びたかったけど、おこがましいので秘密の呼び名として夢の中の「お母さん」と心の中で呼んでいた。
実母にどんなに嫌がらせされても暴力を振るわれても夢の中の「お母さん」と会えば癒される・・・。
夢の中の「お母さん」が実在するなら会いたい大人になったら「お母さん」を探そうと思っていた。
しかしその夢は実母に無理やり学会に入れられた事で断たれた。
ただ学会に入れられた後も夢の中の「お母さん」は私を責めもせず優しく微笑んでくれていた。
中学生のある日、実母が溺愛してる兄に悪戯された。
実母に相談したら嘘つき扱いされ、兄は実母公認で悪戯をしてきた。
もう死のう・・・荒川の橋の上から身投げしよう・・・と家を出て、川に向かってたら、白いベールを被った尼さんが声をかけてきた。
「こんにちは」
その尼さんを見て驚いた。
服は違うけど、白くて青いラインの入ったベール。
包み込むような優しい微笑み、夢の中の「お母さん」だ!
絶句して立ち尽くす私とすれ違い遠ざかっていく「お母さん」。
「お母さん」は夢の中の自分に頼りすぎてはいけない、あなたはもう大人なのだから・・・と言ってる気がした。
私は自殺を思い止まり、家に帰った。
そして、実母と兄と戦った。
その後、「お母さん」の夢を見てないけど、今も「お母さん」は虐待されてる子供の夢に現れ、子供たちの心を癒してる。
そして子供が自分の力で戦えるようになったら、さりげなく子供の前に現れてそれを知らせている。
・・・そんな気がしてならない。