屋内プールで働いていた頃、営業が終わりシャワー室の点検に行った。
シャワーの個室はカーテンで仕切られ、地面との隙間は15㎝くらい。
その隙間から足が見えた。
「終了の時刻となりましたので」と言いつつも異変を感じた。
カーテンは薄手でシルエットが解るのに、体の影がない。
足が見えてるだけで、よく見ると異様に青白い足。
混乱していると真後ろから「苦しい」と言われ振り返ると誰もいない。シャワーを向き直ったら足も消えていた。
なんだ?と思いながらシャワー室から出ると「○○~(男性の名前)、おーい」と俺の足の下としか思えない所から声がした。
全力で逃げた。
俺の頭の中では、以前、心筋梗塞で溺れてしまった親子連れのお父さんの事しか考えられなくなっていた。