人から聞いた話で悪いが・・・俺が高校に通っていた時の話。
理科の先生がかなり面白い人で、しょっちゅう勉強とは関係のない話をしてくれた。
ある日、どういう話の流れかは忘れたが先生が遭遇した怖い話をしてくれた。
先生は前に赴任していた男子高校の合宿に副顧問として初めて合宿に参加したそうな。
その合宿先というのが毎年決まっていて、所謂、「出る」と部活内で有名な宿だったらしい。
先生は当然そんな話は信じていなかった。
その年もビビる生徒達を連れて合宿先にお世話になった。
練習が終わり、夕方、生徒達が各部屋でまったりしていた。
その宿というのがかなり田舎の方にあり、宿の周りには田んぼがあった。
しばらくして、生徒達が窓際で涼みながら話をしていると、田んぼのあぜ道をオッサンがコチラに向かって歩いてきていた。
周りはすでに薄暗く、何となく生徒達はそのオッサンに向かって「お~い」と手を振ったらしい。
するとオッサンはコチラに気付いたようだった。
しかし次の瞬間、1歩、2歩、3歩目で・・・いきなりブワッと目の前にまでそのオッサンの顔が迫って来た。
驚いた生徒達は「うわぁぁぁ!!!」と悲鳴を上げて窓から離れたが、もうすでにオッサンの顔はそこに無かったらしい。
その悲鳴を聞いた先生は部屋に飛んで来てどうしたのか話を聞いた。
別の部屋から来た生徒も話を聞いて「やっぱり出るんだ・・・」とパニック状態で「もう帰りたい」と
言い出したが何とか落ち着かせようとしていた。
そして遅れてやって来た顧問の先生は生徒と先生の話を聞いて「あぁ、オッサンは出てくるけど驚かすだけで何にも悪さはしないから大丈夫」と言ってのけたそうな。
それまで半信半疑だった先生は本当に霊が出るのと顧問の呑気っぷりにダブルでかなりビビッたらしい。
そしてやっと騒ぎも納まり、風呂の時間になった。
結構大きな風呂で一クラスぐらいの人数は風呂だったらしい。
皆さっきの騒ぎでビビっているのか、体と髪を洗い終わりそそくさと風呂場を後にした。
そうこうしている内にゆったりと風呂に浸かっている生徒は一人だけになっていた。
一人で風呂に入っているのは怖かったのか、そろそろ出ようとした時、湯の中からまたあのオッサンの顔が底からゆっくりと浮き上がってきた。
でもやっぱりすぐに消えて何にもしなかったそうな。
そこでまたビビッた生徒が悲鳴をあげ一騒動あったらしい。
先生は「あんな合宿もう二度と嫌や」と言っていた。