予知ではなく、見えた・・・

カテゴリー「心霊・幽霊」

これは10年くらい前、小学生の頃の夏休みのことでした。

僕と友人は毎日のように宿題もせずに遊び回っていました。
八月の終わり頃、宿題にも手をつけずに僕らはいつものように公園でアイスを食べていました。
そんな時、友達が「もう夏も終わるから最後にプールいこうよ」と言いました。

ただ漫然と夏休みが終わるのを待っていた僕なので、断る理由もなく二つ返事で2駅離れた市民プールへと出かけていきました。
その日は気温が40度近くせまりまさに水遊び日和。

さぞプールも混んでいるのだろうと思っていましたが意外にも人気がなく快適に遊んででいました。
30分くらい遊び、休憩をとるためにプールサイドにあがった時のことです。
友達がポツリと呟きました。

「あの子落ちちゃうよ。」

「???」と思いながら何気なく友達の目線の先、水上滑り台に目をやりました。

プールの滑り台に6歳くらいの少年が上に登ろうとしています。
すると友達が言ったように、男の子をは手すりに上がったと同時に足を滑らせて落下しました。

なんとも言えない、「ごつっ」でも「ぐしゃっ」でもない人間が叩き付けられると音がして滑り台下のプールは茶色や赤に染まっていきます。

この光景は今でも頭からはなれません・・・。
そのあとプールは大騒ぎになりました。
わずかな入場者もすぐに帰されました。

帰る道すがら友達に「どうしてわかったの?」と聞いてもなかなか口を開きません。
ただ「見えたんだ」と一言いっただけです。

すぐさま「何が?」と聞き返すと、友達は「あの男の子、なんか血だらけの水着の女の人に抱き着かれていて手すりに引っ張りあげられていたんだ」と。

それきり友達も僕も無言で家にかえりました。

血だらけの女性は誰かわかりません。
そのプールでも女性にまつわるそんな事故があったとは聞いた事がありません。

ただ、その最寄りの駅の踏み切りに前々から肉塊になった子供を抱いた血まみれの女性が出るという噂はあります。

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