助手席の髪の毛

AV仕様の最強媚薬・エロティカセブン

媚薬・エロティカセブン

これは、本当にあった話です。

長年乗っていた車が車検を迎えるので新しい車を買いました。
中古車センターで見つけたその車は、黒のスポーツカー。
値段の割に綺麗で走行距離も少なく、とても気に入って購入したのでした。

ところがその車を家に持ってきた翌日、運転席に乗り込んで、妙なことに気付きました。
助手席に、何本かの長い髪の毛が落ちているのです。
一本手に取ってみると、少しばさついた真っ黒な毛。
しかし、中古車センターで試乗した人のものかもしれない、とその時はたいして気に留めませんでした。

そのまま車のエンジンをかけ、職場に向かった帰り道のこと。
私の自宅は曲がりくねった山林を20分ほど走った所にあり、この道は深夜にならずとも人通りがありません。
毎日通る慣れた道ではあるのですが、この時はどうしたことか、身震いを感じました。

私:「風邪引いたのかな・・・・・・」

そう思った、その瞬間でした。

私:「はっ・・・・・・?」

私は、左側の視界に”何か”が写ったことに気づき、一瞬凍り付きました。

私:「見てはいけない、見てはいけない・・・・・・」

とっさに自分に言い聞かせ、私はハンドルを握り締めスピードを上げました。
しかしその時、パッと前方に白い影が走り、私は反射的に急ブレーキを踏みました。

「キィィィィーーーーーー」

凄まじいブレーキ音と共に車が停止し、前のめりになった時、「ぎゃーーーーー!」と、何者かの叫び声聞きました。

助手席ドアの外側に、真っ黒な長い髪を振り乱した若い女性がいたのです。
その髪と、今朝助手席で見つけた毛が自分の中で交錯して、「早く車を発進させなければ」と、私は言いようのない恐怖と同時に、身の危険を感じ、慌てて車を発進させました。

女:「入れて~中に入れて~」

ドアに張り付いた女性が、窓ガラスを叩き始め、その声は、か細くもどこか力強く、私は無我夢中でアクセルを踏みました。

家に着いて、ハッと我に帰った時には、もうあの女性はどこにもいません。
「きっと幻覚を見たのだ、私は疲れているんだ・・・」と、そう自分に言い聞かせ、その日はすぐに床につくことにしました。

しかし、部屋の灯りを消して、眠りに入りかけた時です。

ペタン・・・・・・ペタン・・・・・・。

廊下から、妙な音が聞こえてきたのです。

私:「連れて来てしまったんだ・・・・・・!!」

鳥肌が全身に立ち、冷や汗がどっと流れました。

ペタン・・・・・・ペタン・・・・・・。

その音は、生身の人間の足音とは違い、水分を含んだような音です。

私:「頼む、消えてくれ・・・・・・」

私は一心にそう祈りましたが、その音は段々私の方へ近づいて来ます。

ペタン・・・・・・ペタン・・・・・・。

私:「やめてくれ~!!!」

恐怖のあまり、そう叫ぶと、私の頭の中に声がしました。

女:「入れて~中に入れて~」

私はもう半乱狂になり、とにかく知っているお経を全て唱えました・・・・・・。

次に気付いた時には、朝・・・。
やはり、疲れているため昨日の自分はおかしかったのだろうか・・・と、廊下に出た途端、また昨日の恐怖が鮮やかに蘇りました。
なんと、玄関から私が寝ていた部屋の前まで、水跡のようなものが人間の足跡のようについていたのです。

あの車には何かある!このままでは、身が危ない・・・。

そう直感した私は、すぐに中古車センターに電話を入れ、車をまた買い取ってもらうよう手配しました。
車は友人に頼んで、センターまで持って行ってもらい、水跡のついた廊下は気持ちが悪いので、板を全て剥がし、近くのお寺へ持って行きました。

私の話を全て聞いた寺の坊さんは、真っ青な顔をして「その車にこそ霊がついている、その車を持って来なさい」と言いました。

しかし、車はもうすでにセンターへ返したことを告げると、坊さんは静かに首を振り、つぶやきました。

坊さん:「その車についた霊は人を殺し兼ねない、いや既にもう何人かは・・・・・・」

その後、私の身には何も起きていませんが、あの車は今頃どうなっただろうか、と考えることがあります。
既に廃車にされていれば良いのですが・・・・・・。

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