俺は某チェーン店の店長をやってる。
まー所詮雇われだけど・・・。
勿論の事、店全部を任されている。
開店から閉店まで。
休みもほとんど無いにひとしいかな?
だからこそ気が付くんだよな。
店のちょっとした変化に・・・。
去年の盆前辺りから急激に客足が減った。
勿論売り上げが良く無い。
そんな時は社長が来る・・・。
ある日とうとう社長が来た。
俺は、文句を言いに来たんだな・・・・・・と思ってた。
だけど社長は文句を言わず、「お疲れ!毎日大変だけど頑張ってくれ!ちょっと一服でもしてこいよ」とコーヒーの差し入れ。
正直、俺は気味が悪かった。
今までにこんな事が無かったからだ。
特に用事がある訳でもなさそうで、すぐに帰って行った。
だけど俺はすぐに気が付いた!
店の隅に盛り塩、上の棚の所にはお札、カウンターの端の目立たない所にコップに入った水らしき物・・・・・・
俺は心霊的な物は信じて無い事も無いが、今までに見たとか感じたって事が無かったから、こんな事して売り上げが上がるならみんなやるわ!位で気にもしなかった。
だけど異変はすぐ出た。
次の日店に来ると、コップの中身が明らかに減っていた。
半分以上入っていたのに、残りはコップの底からほんの少し。
蒸発したのか?程度の事しか思いつかなかった。
だけど、原因が蒸発じゃ無い事がすぐにわかった。
社長がまた来たからだ。
2日連続で店に来た事なんて絶対に無かったから、何かがあるってわかった。
けど怖くて聞けなかった。
俺は社長に怖くて何も聞けなかったけど、代わりに社長から言われた。
社長:「田中くん、今日から毎朝店に来たらコップに酒を入れておいて。今日みたいに減ってる筈だから」
俺は何も気にして無い感じで「わかりました」とは言ったが、内心かなり嫌だった、と言うか関わりたく無かった。
それから3日間、毎朝酒を入れた。
4日目、俺は休みを取ることが出来た。
しかも2連休。
嬉しさの余り、コップの事を代わりに入る人に言うのを忘れてた。
休みの間、俺もコップの事を忘れていた。
休み明け、店に来て空のコップを見て思い出した。
俺:「ま~また今日から入れればいいべ。」
なんて軽く思ってた。
そんな軽い考えは1時間もしないうちに変わってしまった。
まずは店の入り口。
うちは自動ドアになっている。
センサータイプでは無く、ボタンを押したら開くやつだ。
開いたら音がなる。
それが開くようになった・・・・・・誰もいないのに。
誤作動だと思い電源を入れ直す。
少し経てばまた開く・・・。
かなりビビってた。
入り口に行く用事は全部バイトに頼んだ。
だけど、俺が入り口に行かないようにしてたら、今度は厨房付近に来た。
厨房の中は壁はステンレスが全面に貼ってあり、汚れた鏡みたいな感じになってる。
そのステンレスに人影が映るようになった。
自分の真後ろに立ってたり、通り過ぎて行ったり・・・。
その日は絶対に1人にならないようにして過ごした。
バイトにも言ったが半信半疑だった。
チェーン店の名前はさすがに出せないが、和食系としておいてくれ。