僕の高校時代の話です。
僕の通っていた高校には、師匠シリーズに出てくる師匠みたいな人が居ました。
僕はその人をドーモさんと呼び、オカルト道の師と仰いでいました。
僕ら(僕と仲の良いDQN達)は、ドーモさんとオカルト系の事をやりまくっていた。
たくさんオカルト話はあるんですけど、今回は廃病院、いわゆる心霊スポットに行った時の話を書きます。
確か高二くらいの時だったと思います。
僕はDQNどもに廃病院の話(当時流行ってた)を聞き、当然の様にドーモさんをそこに誘った。
いつもなら満面の笑みを浮かべ了承するドーモさんが今回は、「嫌だ!」とめんどくさそうに断りました。
「あそこはやばい」とか「めんどくさい事になる」など言って、首を縦に振らないのです。
それでも僕がしつこく誘うと、「やばくなったら一人で逃げるから」と渋々OKをもらいました。
ドーモさんにここまで言わすとはどんな所やねん!?と僕は、恐怖半分、好奇心半分な複雑な気分でした。
しかし、ドーモさんが居るのならなんとかなる!と・・・ドーモさんが居るから今まで僕は心霊スポットに行けたわけで、ドーモさんに対する僕の信頼度はかなりのものでした。
それでOKをもらった僕は、仲の良いDQN二人(いつものメンバー)に声をかけました。
二人もドーモさんが来るならと、二つ返事でした。
その日、学校が終わり、まだ明るかったので、ゲーセンで時間をつぶし、ゲームに夢中になってる内に、暗くなっており、廃病院に着いたのは、すでに九時をまわった頃でした。
DQN二人が先陣をきり、さきさき中に入っていく中、ドーモさんはキョロキョロしながら最後尾でした。
僕は、そんなドーモさん(いつもなら先頭)を初めて見たので、マジでやばくね?とか思いつつ、DQN二人と冗談を交わしつつ中を徘徊しました。
しばらく徘徊(探険?)していましたが、特に何も起こらず、あれ?と思いながら、最後の霊暗室に着きました。
ここを見おわったら帰ろうみたいな話をしていたので、ここが最後です。
霊暗室に入った瞬間、僕ら三人は固まりました。
動けないというより、動きにくいと言ったほうが正確ですね。
そんな中、今まで黙ってたドーモさんは、霊暗室に入るやいなや、テンションMAXな感じで中を物色しまくってました。
僕はというと背後に気配を感じ・・・ゆっくりと振り返りました。
見ると・・・人が立ってたとかゆーレベルじゃありません。
何十人の人の顔(表情?)のない人達が、僕らを睨んでます。
表情もないのに、なぜか睨んでる(怒ってる)というのがわかります。
ドーモさんはそんな事には興味がない(見えてないハズがない)ように、物色を続け、やがてカバンからインスタントカメラを取り出して、そこら辺を撮りまくりだしました。
僕は半泣きになりながら、「ドーモさん、やばいよ!ここ、やばいよ!」と、自分から誘っておきながらですが、帰ろうコールを送りました。
するとドーモさんは、「意識すんな!下手したら帰られへん事になんで!」と、相変わらず焦る事もなく、僕らの後ろとかを撮りまくってます。
僕やDQN二人は半泣きになりながらも、ドーモさんを見てるしかなかったのです。
そして、「帰るで!」と、いきなりドーモさんが言いました。
すると金縛り状態がいきなり解け、僕らは走って廃病院を出て、その時も、ドーモさんは最後尾でキョロキョロしてた。
その後、廃病院の前でタバコをふかしながら、僕らは地面に腰をおろし、心の底から安心していた。
何日経って恐怖感も薄れてきた僕は、ドーモさんにあの時撮った写真の事を聞いた。
ドーモさんは、笑いながら「何も写ってなかったよって」言った。
僕がそんなはずないやろ!とつめよると、「俺がまったく意識してないねんから、当たり前やろ!」とまた笑った。
まったく意識してない?
見えてるのに?
不可能だろ?
そう思いながら考え込んでいると、「でも一枚だけおもしろい物が撮れた。」と、一枚の写真をカバンから取り出した。
その写真は、僕ら三人が笑いながら(変顔)で写っている物だった。
確かにおもしろい程に変顔だ。
オカルトには関係ないが。
僕が少し怒りながら、「確かにおもしろい顔やね!」と言うと、ドーモさんは、「おまえら笑ってたっけ?」と少しにやけながら言った。
ドーモさんが写真を撮ったのは霊暗室だけ。
僕らは霊暗室に入った瞬間固まって、半泣きだった・・・。
どいこと?
僕は少しぱにくりながら、「他のも見せて!」と言うと、ドーモさんは、「あぁ、燃やした。」と即答。
僕が「何も写ってなかったのに?」と言うと、「俺は意識しなかったからな、でもおまえらが見ると大変なことになる。」と笑いました。
ドーモさんは「写真ってのは、人によって見え方が違う。もちろん心霊写真に限らずな。あと、あれでやばいと思ったなら、もう心霊スポットとかには行かない方がいいよ」と付け加えました。
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