6年前の8月、早朝に不思議なものを見た。
朝帰りで下り電車を降り、駅を出て家路に向かって歩いている時のこと。
6時過ぎだったが通りには人気は全く無く自分だけ。
銀行とテナントビルの間の石畳の道に差し掛かった。
よく晴れた朝なのに前方から流水音がするので見ると、あり得ないものがあった。
何も無いはずの空間に丸い穴が開いていて、そこから透明の液体が流れ出ていた。
穴は正円に見えた。
直径30~50cm位だったと思う。
高さは2階~3階くらいの位置。
見間違いじゃないのか?とキョロキョロ周囲を見回すも、納得がいくようなものは何も無く、例えれば両側のビル壁からも離れた何も無い空間に直径数10cmのホース口がある感じだった。
ただもうびっくりして穴を凝視しながら立ち止まっていた。
その間も水は流れ出続けていた。
一瞬だけホース口のような穴は、角度をひょいっと自分がいる方へ向けた。
その時は透明の液体が数歩分先くらいの地面に落ちてきて焦った。
直感で、何故かからかわれてると感じた。
30秒以上は続いた後、突如水が止んで穴が消えた。
地面を見ると透明の液体が流れ落ちた跡が残っていた。
石畳の道なので水溜まりにはならず、石が濡れて色濃く見える濡れ跡だった。
しかも奇妙なことに、その濡れ跡は綺麗な大きい長方形だった。(一瞬だけ自分がいる方へ向けられた時の跳ね跡だけ離れた位置にあったはずだが確認し忘れた。それとガラケー所持していたのに写メ撮る等も思い浮かびもしなかった)
濡れ跡に近付いてしゃがみ込んで臭いを嗅ぐと無臭。
怖くて触ってない。
まっすぐ続く道前方からOLらしき人が歩いてくるのが見えたので、この奇妙な長方形の濡れ跡に気づくか(そもそも自分以外にも見えるのか)確かめたくなった。
相当怪しかったと思うけど、さりげなさを装いつつ接近待ち。
OLは長方形の濡れ跡に差し掛かるその時、「えっ何だろう」という風に濡れ跡を二度見して通り過ぎた。
濡れ跡が自分以外にも見える=錯覚ではない、のを確認してようやく濡れ跡を後にした。
疲れて多少眠くはあったけど意識はハッキリしていた。
とにかく別次元は本当にあるんだなと思う。
”朝帰り”ということは、心身共に普通の状態ではないだろう。
長方形の濡れ後については、場所を特定すれば、何か分かるんじゃないか。