少なくとも機械では無かった

カテゴリー「不思議体験」

昨晩、山に入った友人が予定よりも早すぎる下山をしてきた。
先ほど連絡があったので何があったのか聞いたら、よくわからない目に遭ったので大事をとって引き返してきたとのこと。

よくわからない事って?と聞くと、笑うなよと前置きをされた上で、登山時における手記を読む形で話し始めた。

以下、メモを取りながら聞いた話。
本人の手記書き写しではないので、微妙にズレがあるかも。

18時入山、19時半に予定通りキャンプを張り終え、20時半に望遠鏡をセットして星を眺める。

21時過ぎ、自身より高い位置にある木立が大きく揺れる音を聞いて、熊か!?と身構える。
木立が揺れる音は断続的に聞こえ、どうやら何かが山を降りて来ているようだ。

音の主は自分から見て斜め方向に下山しており、このままここに居れば鉢合わせる事はない。
しかし万一という事はある、と、友人は下山するものが見える位置に先回りをして、遠くから見張る事にした。

21時20分、木をかき分けるように球体が降りてくる。
色は肌色に近く、機械のようは無機質感は無く、極めて生物的な様相、宙に浮き、木の枝の高さを維持しながら山を下りてゆく。
力は強いようで、押された木の枝は太いものでも折れ地に落ちる。

21時30分、大きさはおそらく70-90ほどの球状。
木の枝に押されて多少凹むなど、やはり生物的、安全を期して10分してからテントに戻る。

21時50分、テントに戻る、撤収の準備を始める。

22時10分、多少急ぎ足だが撤収完了、熊より怖い、念の為、音が出るものを隠し、周囲を警戒しながら駐車場へ向かう。

22時35分、右斜め前方から枝の折れる音が響く、直進している訳では無いのか?

22時50分、駐車場に着く、音は無い。
これからエンジンをかけ、急ぎ下山、山の下にあるローソンから一応緊急通報をするか、下りてから考えよう。

終わり。

友人曰く、UFOではない。
アレはとても生物的な、豚の表皮のような、少なくとも機械では無かった、らしい。
とりあえず俺は一言、狐に化かされたんだろー、と言っておいた。

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