濃霧なのに無灯火

カテゴリー「不思議体験」

友達4人と湘南へドライブに行った時の話です。

田舎の国道を夜中1時過ぎに走ってたら、濃い霧が出てきました。
ハイビームにしたり、フォグランプを点けたりしたんですが、前がなかなか見えず、徐行運転でノロノロ走ることに。
いくらなんでも対向車も後続車もいないって気味が悪いよね・・・なんて話してたら「わっ!」と運転している友達が声をあげました。

前を見ると対向車線を軽トラが走って来たんです。
ただ走ってるだけなら何も驚くことはないんですが、濃霧の中、無灯火で走って来たんです。
軽トラの車内は青白く、運転席と助手席の男女の顔がはっきり見えました。

無表情で真っ直ぐ前を凝視したままの運転席の男性とフロントガラスにべったり顔を付けた女性・・・。
すれ違った時に軽トラの男女はゆっくりこちらに顔を向け会釈をしたんです。
反射的に私たちも頭を下げてました。

軽トラの二人は農作業をするような恰好で男性はJAのキャップ、女性は田舎のゴルフ場のキャディーさんの様な日除けの帽子を被っていたのをはっきり覚えています。
会釈をする際も女性だけはフロントガラスに顔を付けたままこちらを向いてお辞儀をしていました。
後部座席の友達が急いで振り向き、運転してる友達もサイドミラーで確認したんですが、軽トラは消えていました。

友:「消えた!見えない!」

私:「無灯火だったらテールランプも光らないし、ブレーキ踏まなきゃブレーキランプも点灯しないでしょ?霧に紛れたんじゃないの?」

友:「濃霧なのに無灯火で走って来るか?」

私:「整備不良で途中でライトが切れちゃったんじゃないの?」

友:「農作業の格好してたけど、こんな真夜中にどこ行くんだ?」

私:「農家の朝は早いんじゃないの?」

私は怖さを紛わせる為に必死で軽トラの人達は生身の人間だと言い聞かせてました。

友:「あの会釈は何よ?」

私:「無灯火で驚かせちゃってすみません。危険走行してごめんなさいっていうお詫びの会釈じゃない?」

友:「明日の朝、帰って来る時に同じ道通るよね?さっきすれ違った道路の脇に花が供えられてたらどうする?」

帰りは遠回りして違うルートで帰りました。

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