ちゅうこんひ

すっかり忘れてたけど最近親と話してて思い出した話。

小さい頃よく遊んでた近所の公園に、かなり大きい忠魂碑があった。
当時は忠魂碑の意味を知らなかったから、子供達はみんな公園の名前が「ちゅうこんひ」だと思い込んでた。
というか今でもみんな「ちゅうこんひ」って呼んでるけど、多分公園の正式名称は誰も知らないと思う。

忠魂碑自体が建てられている場所は開けていて明るかったんだけど、それ以外の遊具などが置いてある場所は、やたらと背の高い木が生えまくっていて、天気の良い昼間でも薄暗くて湿気が多かったからか、七不思議的な噂がいくつかあった。

その噂の一つが、「犬がおかしくなる」って言うやつ。
「ちゅうこんひ」に入った犬はおかしくなるって言われてた。

実際におかしくなったのを見たことも何度かある。
初めて見たのは、近所でみんなに可愛がられていた大人しい野良犬のジロ。
子供だけで公園で遊んでいたら、普段学校付近にしかいないジロがきた。公園でジロを見るのはその時が初めてだった。
誰かがジロに駆け寄って行ったら、ジロは唸りながらその子に突進してきた。
みんながギャーギャー逃げ回るなか、とりあえず自分より小さい子達をジャングルジムに避難させた。

逃げ遅れたのは同級生のヒロ、と言ってもわざとだと思う。
ヒロはジロと1番仲が良かったから、普通に追っかけっこを楽しんでいるように見えた。
ヒロ達は公園中を走り回って、ジャングルジムから見えないところに行った時、ヒロの叫び声が聞こえた。

ここからが何故か記憶に無いんだけど、確か棒を持ってヒロのところまで行ったら頭を噛まれていた。
今でも追っかけっこしてて頭を噛まれるってどういう状況なのか分からないし思い出せない。
そして確か大人を呼びに行って、ヒロは病院に運ばれていった。

頭も手も噛まれていて何針も縫ったらしい。
その後ジロは保健所に連れていかれることになった。
「学校付近によく出没するから、狂犬病注射はしてたのにおかしいね」と大人達に言われながら。

ヒロは「ジロじゃない、自分でやった」とか「ジロじゃない犬にやられた」とか色々言ってたけど無駄だった。

ヒロは家庭環境に問題のある子で、友人関係も上手く築けなくて、自分以外に友達もいなかったからジロは心の依りどころだったんだと思う。

そして最近になって、「ちゅうこんひ」の裏の家で昔飼われていた犬が、散歩にも連れていってもらえず、ご飯も水も週に一回しか与えられずに死んでいったという話を親に聞いて、すっかり忘れてた「ちゅうこんひ」の噂を思い出した。

他にも色々あったはずだけど忘れてるもんだね。

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