何年か前に体験した不思議な話。
秋になると収穫祭のような催しが私の住んでいる地域にはあります。
それに参加したときの話です。
この祭りで一番人気が祭りの最後に行われるビンゴゲームで、豪華景品があたるんです。
もちろん私達家族もそれが目当てですので、祭り開始早々からスタートするビンゴカードの販売に間に合うように朝8時には現地におりました。
無事カードを入手し、あとはビンゴが開始される時間までの9時間あまりを各々自由に過ごします。
この年の祭りは、近隣からの参加者が急激に増えて朝から凄い人混みでした。
幼い娘を連れていた私はあまりうろうろせずに、ビンゴ会場そばに場所を確保し1日そこにいようと思いました。
始めに気付いたのは、祭り開始早々。
何気なく人混みをみていたときある1人の男性が目に止まりました。
私の前方50メートル位先にいたのですが、右から左へ行ったと思ったら、左から右へ行き、また右から左と、祭りのスタッフじゃないのに人混みを忙しそうにしていたから目に止まったんだと思います。
一~二時間経過しても同じように忙しそうにしてました。
お昼になり家族が戻ってきて皆でお昼をとっていたそのとき、相変わらず忙しそうに行ったり来たりしている彼となんとなく目があったような気がしました。
そして、彼との距離がだんだんと近くなっていることに気付きました。
前方20メートル位になっていたんではないでしょうか。
肩から折り畳み式の簡易椅子を下げていることがわかりました。
更に数時間後には、その距離10メートル位、いつの間にか足の悪そうなお婆さんが加わってましたが相変わらず行ったり来たり。
そして、祭りも終盤のビンゴが始まる直前、彼等は私の隣にやってきました。
そして私達の隣に座っていいか?と聞いてきました。
「どうぞ」、と答えると、簡易椅子を広げお婆さんを座らせたあと彼は私の隣に座りました。
そして、彼自信の話をはじめましたが、いつも世界中を旅している?ようなこと。
「世界の人々の様子だったか、生活の実情だったか、私には難しく感じる話をたんたんとして。
そして、あなたにはこの世界がどのように見えますか?あらゆることをどのように感じているのでしょうか?世界中をまわってみてもあなた達親子のような目をみたことがない。特にあなたは素晴らしい目を持っている。その目を絶対に忘れないでください。」と言い、またお婆さんと一緒に人混みに消えて行きました。
私は彼の問いには何一つ答えておらず、一方的に話をされてから彼等が姿を消すまでの間、時間が止まっているような、不思議な感覚がしました。
そして、家に帰ってから家族にその不思議な人達の話をすると、あんた達の隣にはずっと誰もいなかったよ、と言われ、ちょっとゾッとしつつも、彼が言っていたことが数年たったいまでも気になっています。
どなたか似たような体験されたかたがいないかと思い書き込ませていただきました。