透明な水晶をもらった(前編)

※このお話には「透明な水晶をもらった(後編)」があります

10年以上前かな、小学生になった頃なんだが、家の近所に従兄弟が引っ越してきててさ。
大学の都合で俺の実家の近くのアパートで下宿しながら大学通ってたんだって。
確か法学部的な事を言ってたような気がする。
んで、その従兄弟は18歳で、糞ガキだった俺と兄貴はその従兄弟が大好きだったんだよ。
面白い事一杯知ってるし、ゲームで遊んでくれたから。
確か当時ポケモン買って貰ってよく遊んでたんだけど、その従兄弟ん家に入り浸ってやってたな。

従兄弟は鉱石マニア?とかいうので別に専門でも無かろうに山ほど集めてた。
何処かから買ってくるのか取ってくるのかは知らんけど、とにかく沢山持ってて色々見せてくれてたな。
で、ガキだから当然欲しがるわけよ。
したら快く掌に収まるくらいの透明な水晶くれたんだ。

水晶とかネットで調べたら小さいのならたいしたことないけど、結構高いのな。
8cm位で800円位するしね。

まぁ、今はパワーストーンとか流行ってるけど、確か当時はそんなにでもなかったような気はする。
札束風呂入ってるような妖しい通販は既にあったような気がするけどw

今思えば消しゴムくらい大きくて綺麗な物だったから嬉しくてさ。
従兄弟が「ずっと持ち歩いてると悪い物から護ってくれる」とか言うから、俺はカーチャンに首から下げられるような小さな袋作って貰ってずっと持ってた。

それと、従兄弟が「鉱石には不思議な力があって、ずっと肌身離さず大切に持ち歩いて、たまーに話しかけてたりすると懐いてくれる」とか言う。
だから純真無垢な俺はずっと持ち歩いて、寝る前に楽しかったこととか話しかけたりしてた。

カーチャンとかトーチャンに怒られたり、友達と喧嘩したあと水晶に愚痴ってたら何か気分が楽になってたんだよな。

俺はその水晶気に入って、覚えてねーけど名前まで付けて可愛がってた。
それからも結構な頻度で大学生の従兄弟の下宿に押しかけて遊んだり、友達諸共押しかけてプレステとかやらせて貰ってたな。

で、水晶貰ってから一年くらいしてから、夏休みかな。
何か肝試しやろうとかいう話になって友達五人くらいと俺と兄貴で家の近所にある廃墟行ったんだよ。
夜中に家抜け出して、ちょろちょろこえーこえー言いながら周り彷徨いてたんだけど、特になにも無い。

普通の雑居ビルが放置されすぎてて変な雰囲気になって、不良が扉壊したりしてた廃墟でさ、多分今見たら大して怖くないんだろうけど。

んで、その廃墟探索(実際には周りで騒いでただけ)が空振りに終わったから、何か幽霊的な物が見たい俺たちは色んな所行ったんだよ。
夏休みのテンションもあって昼間でも神社やらなんやら妖しげな林とか入ってさ。

そしたら俺、足おせーから走ってた兄貴とかに置いて行かれて林で迷子んなってんのwww
神社の近くの林でさ、ぽつんと取り残されてイマイチ道も分からんから怒りながら適当に走ってたんだ。
そろそろ日も暮れるから帰らないとカーチャンに怒られるしさ。

そしたら何か、急に背筋が寒くなったんだよ。
振り向いても見回しても何も居ない。
だから気のせいだと思って歩いたら、何か小枝を踏み折るような音が周囲から沢山聞こえるけどなんもいねーの。
ションベンちびるかと思ったわ。

透明な水晶をもらった(後編)へ続く

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