自宅は一戸建てで一階に割と大きめのリビングがあります。
真夜中のリビングで、私はそっと自宅の庭を見張っています。
何故見張っているのかは自分でもわかりませんが、見張らねばならなかったのです。
夢とは矛盾するもので、何故か自宅は「学校」という設定でした。
「学校」に深夜潜んでいるのですから明かりを点けることは出来ません。
やがて、黒い馬車が静かに家の前に止まります。
私はそれを確認すると急いでロッキングチェアの中に潜りました。
その途端家の裏口から、ガリガリに痩せた真っ黒い子供みたいなものが「キャーキャー」と喚きながら大勢雪崩れ込んできました。
子供?達はそのままリビングに入ってくると私を捜し始めます。
しかし夜目が効かないのか捜すのが下手なのか、結局私を見付けられず廊下や階段、和室に出ていってしまいます。
私は次に彼等が来たら見付かってしまう、と思い、完全に身を隠せそうな所を探し始めました。
廊下はしんとしており、子供達の姿も気配も、勿論声すら聞こえません。
しかし、今のうち!っと思った途端二階のから再び子供の喚き声が聞こえてきました。
私は慌てて風呂場に逃げ込み、白く濁ったぬるま湯の溜まった浴槽に身を沈め隠れました。
やがて一人の子供がやって来ました。
浴槽に身を沈めてもその様子が見て取れました。
夢特有の矛盾です。
その子供は湯の中に手を入れることもなく、ただ水面をじっと凝視してきます。
私は息が苦しくなり始めましたが、見付かってしまう為藻掻くことも出来ません。
もう限界!と思ったとき、その子供は去っていきました。
私は鼻先だけ水面から出して呼吸をしました。
その時、二人目の子供がやって来ました。
私は急いで身を隠しました。
その子供もやはりじっとこちらを凝視してきます。
それも先程の子供よりも長く、私がいい加減にしてくれ!と思うと同時にその子供もまた去っていきました。
急いで呼吸をしましたが、尚も三人目の子供が現れました。
やはりこちらをじぃっと凝視しています。
やがて私の息の限界が訪れますが、その子供は立ち去ろうとしません。
私はもう死ぬのかと諦めかかったとき、漸く目が覚めました。
何より恐かったのは本当に息が止まっていたんですよ、現実でも・・・。
文章にするとあまり恐くなかったかもしれませんが、未だに子供達の光を反射したフクロウのような目が忘れられません。