二つの裁縫箱

不可解ながらも、都合がいいので放置していることがある。

12年前に最愛の祖母が亡くなり、形見として古い裁縫箱をもらった。
昔ながらのハンドメイドの柳織り。
中には、色とりどりの糸や針山がキチンと整理されて入っており、縫い物上手で几帳面だった祖母の凛とした人柄が伝わって来る素晴らしいものだ。

祖母の気配を壊さないように、私も大事に大事に使っていたのだが、祖母の七回忌で久しぶりに会った田舎の叔母(祖母の娘)と話していて仰天した。
なんと、叔母もその裁縫箱を形見としてもらい、大事に使っているというのだ。

え、裁縫箱って二つあったっけ・・・?

一人暮らしの祖母のところに家事手伝いに通っていた親戚に聞いたが、柳行李の裁縫箱はひとつしかなかったはずだという。
しかし、叔母の話を聞くと、中身に至るまで私が持っているものと同じとしか思えない。

結局、「裁縫箱はきっと二つあったのね」と言いながら「でも、おばあちゃんがいつも使ってたのは私のヤツよ」と、私も叔母も譲らなかった。

祖母は、私と叔母がその裁縫箱を欲しがっているのを知っていて、秘かに同じものを2つ用意してくれていたのかもしれない。

あるいは、1つの裁縫箱が私と叔母の家を行ったり来たりしてたりして・・・w

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