こんな時間に歩行者が一人?この状況下で?

カテゴリー「不思議体験」

4、5年前に経験した話を一つ。

俺は車でドライブするのが好きなんだ。
地図も見ずに適当に走り回って、満足したら携帯電話カーナビを使って自宅に帰る。
気ままにドライブできるってんで、深夜に良く出かけてた。

その晩も適当にドライブして、じゃあ帰るかってなったんだ。
おもむろに携帯電話を取り出して、カーナビソフトを起動。

自宅の位置は登録してあるんで、ボタン一つで自宅までのルート検索が出来る・・・はずだったんだけど何か様子がおかしい。
どうやらGPS信号が取れていないらしい・・・。

周りを確認したけど、単なる住宅街で遮蔽物(しゃへいぶつ)なんであるわけがない。
車の外に出て受信状態を確認したけれどもそれでもダメ。
しょうがないんで、携帯電話をセンターパネルに固定して出発。
適当に走っていればGPS信号を取れるところに行くだろうし、道路標識もあるだろう。
まあいっか、と軽い気持ちで走り始めた。

で、走り始めて15分、変だ。
最初は気にしていなかったんだけど、なんかおかしい。

走っているのに周りはずっと住宅街、幹線道路にぶち当たる気配もない。
普通、こういう感じの住宅街なら10分も走れば幹線道路っぽいのがあるはず。
それにさっきから対向車が一台もない・・・。
交差点もあったが、標識のある交差点がない・・・。

「たまたまだよね、たまたま・・・ラジオには首都圏の局が入っているし大丈夫!」と必死に自分に言い聞かせた。
不安ながらも走り続けていると、前方に歩行者を見つけた。
「やったあ!あの人に道を聞ける!」と安堵したのも束の間。
俺の中の冷静な部分が言ってくる。

「こんな時間に歩行者が一人?この状況下で?」

パニクったまま、それでもゆっくりめの速度で歩行者を追い越すことにする。

追い越す瞬間、横目で確認すると傘を持った普通のサラリーマンっぽい。
ほっとして車を止めようとサイドミラーを確認すると、「あれ!?」、思わず振り返って確認、・・・・・・追い越した歩行者が、いない!!
もう一回振り返って確認、やっぱりいない。

ぶわっと全身から色んな汁がだだ漏れてくる。
「落ち着け、落ち着け!」と言い聞かせるも落ち着ける訳がない。

何故か脳裏を駆け抜ける走馬灯。
目をグルグルさせながら走り続けていると、道路標識を発見、それを辿って幹線道路に到着。

多数走っている自動車を見てやっと一安心できた。
後部座席や助手席に見知らぬ人が座っていることもなく、無事に帰宅できた訳だけど、4時間のロングドライブになってました。

後日トランクに見覚えのない紳士用の傘を発見した。
ボロボロの傘だったし、一昨日乗せた友人の忘れ物だと決め付けてたけど、気持ち悪いから・・・近所のコンビニの傘立てに置いてきた。

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