小さい頃、父親と登山した。
山頂にはいろんな形の木の枝があり、面白いから持って帰ることにした。
ところが、最初はキャッキャ言いながら楽しく下山していたのに、途中から背後にずっと人の気配を感じて、怖くて涙が出てきた。
私は父親に大泣きしながら、「誰か何人もついて来てる。でも振り向いても誰もいない」と言った。
子供ってそういうのわかるっていうし、多分本当に良くないものが後ろにいたんだと思う。
麓に着いてから父親が、「きっと勝手に木の枝持って来たから山の神様が怒ってるんだよ。枝は置いて帰ろう」と言った。
枝を置いて来たら嘘みたいに気配がなくなった。
山には絶対神様がいると思う。