旧もっこり乳業の社屋に一晩泊まってきた。
無論、不法侵入だな。
しかしまあ、あそこは凄いとも何とも・・・。
寝袋のジッパーが夜中に締め上げられてきたりすでに電気メーターさえ取り外され、完全に電気の供給は停止しているというのに、突然室内の照明がともったりした。
何かを踏み付けた瞬間に右肩が痛くなり、見れば骨。
痛みはまだ抜けない。
足音、話し声・・・夜中に目が覚めると、俺を囲んで声だけで笑う子供達。
子供達の表情は恐れと不安に満ちており衣服は吐瀉物にまみれていた。
腰が抜けたが、まばたき1回の間に元の静寂が戻った。
トイレで小便をし、何の気無しに水を流すボタンを押せば流れたのは真っ白な牛乳らしい液体。
よじ登って覗きこんだタンクは空で、蜘蛛の巣だらけだった。
地下へ降りる階段からは、絶対に来るなという意思を強く感じ、恥ずかしい話だが、それ以上進めなかった。