小学生の頃、ある民宿に友達家族と泊まったときの話。
怖くないけど不思議で、妙に記憶に残っている出来事。
夕方頃だったかな、友達と弟とで一緒に風呂に入ろうって事になって、皆で浴場に向かった。
勿論混浴などではなくて、男湯の方の引き戸を開けた。
戸を開けた目の前で、女の人が着替えをしていた。
ポーズ的に服を着るか脱ぐかしている最中みたいな感じで、おまけに髪が長かったので顔は良く見えなかった。
何か白っぽいものを身に着けていた。
硬直した俺等が目の前の事実を認識する前に、女の人が引き戸を閉じた。
ものすごい音がしたんだけれど、その時もやっぱり顔は見えなかった。
しばらく呆然として、もしかして女湯と間違えたんじゃなかろうか?と確認してみたけど、やっぱりそこは男湯だった。
んで引き戸をもう一度恐る恐る開けてみると、風呂場には誰もいなかった。
出入り口はそこしかなかったんだが・・・。
まあ怖くは無かったので、結局釈然としないまま普通に風呂に入った。
あれが何だったのか今でもわからないけれど、時々思い出しては、もしかして惜しい事をしたのかもしれないなと思う。