小学校の頃6k歩いて学校に通っていた。
いつもの通学路は川沿いの道で集落を回りながら友人たちをピックアップしながら通っていた。
この通学路とは別に山の尾根を通るルートもあり、行きとは違う集落の子と遊んだ帰りはよくそこをつかった。
ある冬の日、遊びすぎて帰りが遅くなり、新月で月明かりも無かったので、平衡感覚すら取れなくなったような深刻の暗闇だった。
たびたび道を踏み外しそうになりビビッて歩いていたのだが、そのうち前方に懐中電灯のような光が現れて、道なりが分かるようになった。
同じ方向に移動しているので、同じ集落のおじさんが懐中電灯つかっている・・・と思った。
一緒になろうとして歩く速度を速めたが、なかなか子供の足では追いつけなかった。
坂を下りる道に差し掛かったあたりで突然前を照らしていた光が消えた。
だが、そこはもう日頃の遊び場の範囲、よく分かる。
道は一本しかなく、集落の墓地を過ぎて、坂を下りれば、神社があり、自宅がある。
私は家まで走ったが、先導してくれた人には会わなかった。
光が消えたのは墓地の辺りだった。