友達から聞いた話。
ある雨の日、友人Aが近所のお寺に出かけようとしたらしい。
道中に坂道を通るんだが、その坂道に差し掛かるとき登り切ったところに一人のおじさんが立ってるのが見えた。
そのおじさんはリュックを背負って、雨の中傘もささずにじっとこっちを見ている。
なんだが気味が悪いと思いつつも、Aはそのおじさんの横を通り過ぎた。
通り過ぎた直後、ふとおじさんが気になり振り返るとおじさんの姿は忽然と消えていた。
そしてその場所には、さっきまでおじさんが背負っていたはずのリュックとボロボロに黄ばんだ新聞だけがぽつんと置いてあった。
不気味に思いながらも新聞を開いてみると、なぜか昭和62年の新聞。(当時2009年くらい)
明らかに異質な気がして、Aは逃げ帰ったあとAの祖母に報告したそうだ。(Aの祖母は地元ではその手のものが見えると有名だった)
少し霊視をしてもらったそうなんだが、どうやら「霊ではないが妖怪の類でもない。でもこの世のものでもない」らしい。
死ぬほど怖くもないが、少し不思議な話。