小さい頃遊んでいた神社の話で、少し不思議な話。
親の都合でよく引っ越していた俺は、親の実家の田舎の方が友達が多かった。
だから、田舎で過ごす時間が楽しくて楽しくて仕方がなかった。
その日も神社で友達数人と遊んでから帰った。
夜になってお店が閉まる時間になる。
お爺ちゃんが1000円を差し出し、俺に言う。
「好きなもん買うてこい」
アイスを買いに行った。
夕方6時頃だったろうか。
当時小学5年生で夏休み真っ盛り。
昼間にみんなが飛び降りて遊んでた岩が目に入った。
俺は根性なしで飛べなかった。
高さは2mほどだったろうか。
一人でその岩から飛び降りた。
アイスを買った帰り道。
達成感で嬉しくて嬉しくて、ニコニコしながら神社を出た。
すると、いつもと違う風景。
鳥居をくぐったあとくらいからだろうか。
後ろには普通のいつもの神社。
前には出店まみれで、狐が屋台をやっている。
狐が日本語でわいわい楽しくお祭りしてたんだ。
アイスを買ったお釣りでお面を買った。
店番の狐は人間のお金を有難そうに受け取った。
そこで声が聴こえた。
「○○(俺の名前)○○!!」
お爺ちゃんだった。
目を覚ますとそこには屋台は無く、アイスは全部溶けてお金もお面も無くなっていた。
きっと何時間も棒立ちしていたんだろう。
お爺ちゃんの話では、立ったまま意識が無く、俺の目は気を失っている間ずっと黄色く輝いていたそうだ。