死界レストラン

カテゴリー「不思議体験」

会社帰りに携帯電話が鳴っていることに気づく。
知らない電話番号からだったが、とりあえず電話を取る。

「どちらさまでしょうか?」と尋ねたが、「予約を承りました。」と一言。
ぷつりと切れてしまった。

はてな?と、しばし路上で首を傾げていると、どん、と体に強い衝撃が走り、目の前が暗くなる。

気が付くと、私はレストランの待合席のような場所で座っている。
周りを見渡すと、自分の後ろに、まばらではあるが何人か座っている。

しばらくして、ウェイターがやって来て、「ご予約の宮崎○○様でしょうか?」と尋ねてくる。
宮崎○○とは確かに私のことだが、いや、レストランなど予約した覚えはない。

「いいえ。」と一言答えると、「左様でございますか。では、お出口はあちらになります。またのお越しを。」と、ウェイター。

案内をされた出口を出ると、外は真っ暗で何も見えない。
慌てて振り返ると、今出てきた扉もない。
とたんに怖くなって、目をつむってその場にうずくまっていると、まぶた越しに光を感じる。

ゆっくり目を開けると知らない天井が目に入ってくる。
視界の端ではナースが、慌てているのが見える。

医者が私の診察を終え、一段落ついたところでナースから話を聞くと、どうやら私は車に跳ねられ、10日間意識不明だったという。

ふと携帯電話の着歴をみると、10日前に知らない番号からの着信を見つける。
はて、確か予約を承ったとか言ってたな..と、電話の内容を思い出す。

「ああ、と言うことは、あの待合席は..」

ところで、誰が私を「予約」したのだろうか。

ブログランキング参加中!

鵺速では、以下のブログランキングに参加しています。

当サイトを気に入って頂けたり、体験談を読んでビビった時にポチってもらえるとサイト更新の励みになります!