もうあの街には行きたくない

どこに書くか悩んだけど忘れないうちに書きたいので投下。
溜めてないので誤字等あったら申し訳ない。

九月まで都内の大学に通ってたんだけど、訳あって休学することになり一度実家がある沖縄に帰ることにした。
ただ飛行機に乗って帰ってもよかったんだけど、時間もあったので福岡まで電車やら夜行バスやらで行って、そこから飛行機に乗ることにした。

下関のホテルで福岡までの船を調べていると、ある町がレトロで楽しめるとの話があった。
まぁ暇だし九州ほとんど行ったことがなかったから、なんとなく、本当になんとなくフェリーでその町の港まで行ったんだ。

昼くらいに町について、とにかくがっかりした。
レトロとは聞こえのいいただの田舎だった。
長崎いけば良かったなぁと思いながら、それでもどこか観光のできるような場所はないかとぶらぶらして回った。

適当に飯を済ませてどうしようか調べていると、市内をほぼ一周できそうなバスがあったのでとりあえず乗った。
どこか気になるところが見えたら降りようかと思っているうちに眠ってしまった。

気づいたらほとんど終点だった。
外には畑が広がっていて、もう本当に最悪だと思った。

運転手に尋ねると、次のバス停で降りて少し歩くと道の反対側に港に向かうバス停があるからそこに行くと良いとのこと。
お礼を言ってバスを降りてしばらく歩くと、言われたとおりバス停があった。

次のバスまで時間があったので、ベンチに座ってスマホをいじりながら待っていた。
少ししてから、「あの・・・」、と声をかけられた。

高校生くらいの男の子だった。
「港のある町の方ですか?」と聞かれた。

俺:「いえ、その町に観光で来たんですけど、間違ってバスを乗り過ごして。次のバスを待ってるところです」

「そうですか」、と男の子は納得した様子だった。
しかし、次の質問が少しおかしかった。

高校生:「バスでは一人でしたか?」
俺:「さぁ、眠っていたのであまり覚えていないです」

「そうですか」、と言いながら何か考えている様子だった。

高校生:「変なことを聞きますけど」

その子は切り出した。

俺:「裏S区って知ってますか?」

聞き覚えのある言葉だった。
有名も有名すぎる話だった。
だけど、質問の意図が分からないのに答えてはいけないように思えたし、それで何か利益があるとも思わなかった。
何より、怖かった。

俺:「この辺りの地名ですか?」
高校生:「・・・・・・いえ、ごめんなさい。何でもないです。それより、俺も同じバスに乗るのでご一緒しても良いですか?」

断るに断れなかった。

その後は何もなく、普通に町まで戻った。
バスに乗っている間はその子と普通の話をしていたし、他の乗客が急に笑い声を上げることもなかった。

男の子に案内してもらいながら駅で博多行きの切符を買った。
ずっと見張られているような気がしていたが、気のせいだと自分に言い聞かせながら内心吐きそうだった。

改札で手を振ろうとしたとき、その子が言った。

高校生:「最近、間違えてバスに乗ってくる観光客が多いんですよ。下校時間だったら他の奴等が家に誘ったりしたかもしれないんですけど、俺の家はここらへんなのであまり広くなくて。何もできずにごめんなさい」

俺:「いやいや、駅まで送ってくれただけでも有難いよ。何か用事があって早退してきたんでしょ?わざわざ有難う」

「いえ」、と置いてから言った。

高校生:「帰ってから、この町のこと、調べないでくださいね。観光客が減るといけないので」

何がいけないのかは聞かずにさっさと帰ってきた。
もうあの町には行かないし、これ以上調べたくもない。

帰りのバスに乗っていた老人たちがにやにやしていた意味も、最後あで男の子が笑ってた忌みも知りたくない。

だけど言えるのは、実際に行かないと分からないこともあるってことです。
お前らも行きたかったら行くといいんじゃないかな。

是非。

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