大学の頃、通学時間の都合で祖父の家から通っていた。
脚の悪い祖父と二人暮らしだったが、問題なく暮らしていた。
ある日、帰宅のバスに乗ってて窓から外を見ていると祖父を見かけたので、無理に降ろしてもらった。
家からはだいぶ離れた場所だった。
祖父は俺を見るなり「無事かあ、よかった・・・・・・」と言って倒れ込んだ。
とりあえず近くのバス停(国道沿いで他に何もない)で座って話を聞いたら、「小屋で作業(DIYの類)してたら電話かかってきたから出た。おまえが涙声で、『おじいちゃん、おじいちゃん』と言って電話切れたんだよ。だから誰かにさらわれたかと思って探しに来た」と言われた。
どうやら、2時間近くもうろうろと歩き続けたらしい。
びっこ引いて。
俺は「それイタズラ電話か間違いだよ。脚悪いのにありがとう」と言った。
30分後に来るバスを2人で待っていると、1台の車が目の前で止まった。
降りてきたのは祖父宅の、近所の中年男性だった。
焦りながら、「山本さん(祖父)ここにいたのか。探したんだよ。山本さんとこの小屋焼けたよ、火事。家はだいじょうぶだけど」と。
びっくりしてすぐに車に乗せてもらい、帰宅。
家の周りには警察やら。
意味不明な電話の後、近所のDQN高校生数名が祖父宅の隣の空地でバイクやら車をいじっていて、それで爆発が起きて小屋に引火したそうで。
突発的なことだったので、その電話がなかったら、いつもびっこ引いてる祖父は危なかった。