家の近くにあった大きな建物が壊された。
そこは遙か昔は古墳で、近くに潰したときに作られた小さな神社と、古墳を模した公園があるレベルには何かがある土地。
建物が壊され、瓦礫が撤去され、今は土を掘り返しまくっている。
そして、(こういう話に都合良く居る)霊感強な友人曰く「古い墓が一瞬開いた」らしい。
ほぼ見えない俺でも、今うっすらとした影を見るようになっている。
多分、虫。
手のひらサイズの団子虫や、蜘蛛。
普通の小さな団子虫。
枯れ葉のような虫。
確認出来た(といっても一瞬だけ)のはそれ位で、たまにちらちらそれっぽいのが見える。
でも、全部虫だとわかる。
虫が苦手だから、虫だとわかるんだと思う。
自室と、職場にでる。
平均して一日に一回。
友人曰く「神社の神様が頑張ってるけど競っている」らしい。
さらに「死出虫だから触るな」と忠告された。
一回、座っていたら、もろに背中に来たらしく、指を(絶対に三本だった)を鎖骨に食い込まれた。
が、上記友人により祓われた様子で、直ぐにいなくなった。
俺(と家)は、たまたまこの友人が護ってくれているらしいのだが、隣接する家々がどんな状態なのかわからない。
ただ、どこかで聞いた話だが、意識することにより、呪いは掛かるらしいので、意識してないと案外平気なのかもしれない。(家人から、そんな話は聞かないし)
そして、一度、俺は「そこで工事している現場の人たちはどうなの?」と聞いたことがある。
友人は「アスベストやらで片づけられる」と言っていた。
実は、半年くらい、現場前を通れば挨拶してくれる交通整備のおじさんをここ二、三週間見ない。
他の現場に行っていることを、少しだけ願っている。