最後の繁殖地で・・・

カテゴリー「日常に潜む恐怖」

人類の所為で絶滅してしまった動物は結構多い。

北アメリカ大陸に50億羽いたとされるが、移住した白人の乱獲で100年ほどで絶滅したリョウコバト。
傷ついた仲間を見つけると保護しようと集まる習性を利用され、一網打尽されたステラーカイギュウ。

ペットとして人気になったが、繁殖や飼育が難しく短期間で死んでしまったために、さらに乱獲され絶滅したゴクラクインコ。
などなど・・・。

それぞれ聞くと心が沈んでしまうような理由や背景、狩猟方法、逸話があるが、その中でも個人的に一番後味の悪いのがオオウミガラス。

ずんぐりむっくりとしたシルエット、白と黒のまだら模様に短い羽。
空は飛べず泳ぎが得意、陸では愛嬌のあるよちよち歩きの、世界で最初に「ペンギン」と呼ばれた鳥。

そんなオオウミガラスは肉や卵の食用や羽毛、脂肪などを目当てに狩猟の対象にされていたが、最初は絶滅するほどの乱獲されるということはなかった。

しかし、とある探検隊が一日に1000羽以上を殺したのを切っ掛けに、各地の海岸で大量に捕獲されていき繁殖地はどんどん狭まっていき・・・遂にオオウミガラスの繁殖地は、アイスランド沖のウミガラス岩礁だけになった。

この島は周囲を崖で囲まれていたため人が近づくことができず、かろうじて人類から守られていた。

しかし、海底火山の噴火に伴う地震でウミガラス岩礁は沈没し、最後の繁殖地は消滅。

この時点で絶滅寸前なのだが、当時の人は保護どころか、希少価値をつけ標本は高額で取引されることになり、一攫千金を狙った者たちによって残ったオオウミガラスも次々と狩られ・・・。
そして最後の日。

島の絶壁で抱卵していたつがいのオオウミガラス2羽を発見した男。
メスを守ろうとするオスを撲殺し、卵を守ろうとしたメスを絞め殺して、最後のオオウミガラスの卵を投げ捨てた。

天災による不運の繁殖地の喪失、最後の個体の殺され方・・・。

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