オカルトでも不可解でもないですが、興味深い経験を。
私の通っていた大学は、それなりに歴史のある某国立大学でした。
どの大学にもある話かもしれないですが、大学の地下に、戦時中に作られた広大な研究室?があるとかないとか、そのような噂がありました。
話しは私が大学2年のとき、委員会活動の一環で、ある建物の管理を数日間任されたことに始まります。
その建物のほぼ全ての鍵を渡されていた私たち4人は、真夜中の見回りの際に、妙なテンションも手伝って地下空間探しをしようということになりました。
その建物には、そもそも地下に下りる階段はなかったのですが、階段の横に鍵のかかった小さな扉がありました。
当初からここが怪しいとにらんでいた私たちは、早速この扉の鍵を探し開けてみたのですが、単なる倉庫のようでした。
「やっぱり地下なんかないね」などと言いつつ、1階の捜索を続けた私たちは、廊下の一部がマンホールのようになっていることに気がつきました。
正確に言うと、四角い板で蓋がされているような状態です。
その後の出来事のせいで、鍵がかかっていたか記憶が定かではないのですが、おそらく、かかっていたと思います。
その四角い蓋を持ち上げると、真っ暗な空間の中に下へ降りる鉄の梯子が見えました。
もちろん、1階と違い電気はついていません。
本当に真っ暗です。
見回りで使うため懐中電灯を持っていましたが、1階とほぼ同じ高さの空間であることと、1階と同じように廊下のようになっていることが分かるだけで、奥まで光が届きません。
とりあえず、貯水槽のようなものではなさそうなので、私たちは4人のうち1人を残して下に降りてみることにしました。
残った一人には、何かあった場合に連絡役をしてもらうつもりでした。
地下に降りた私たちは、本当に驚きました。
間違いなく廊下です。
そして、廊下の横にいくつも教室があるのです。
その教室の中には何もないのですが、廊下に面する壁に窓を入れる予定だったと思われる四角い穴もありました。
この廊下はかなり長く、おそらくこの建物と同じ大きさの空間があるように思われました。
かなりビビリながらも廊下を進んでいくと、不思議なことに気がつきました。
まず廊下の形が、1階や2階と違うことです。
廊下が直線ではなく、直角に曲がっているところがあります。
ここにきて、この形では建物からはみ出しているのではないかと気がつきました。
この辺りでだいぶ気味が悪くなっていたのですが、さらに、先に進んだ私たちは、直角の廊下を曲がったところに他より大きめの部屋を見つけました。
この部屋は他の部屋と様子が異なっていて、なんと机と椅子が置いてあります。
誇りの積もり具合から相当長い間誰も入っていないことは確かですが・・・。
いままでの部屋は人の気配を一切感じさせなかったのですが、この部屋の机の上にコーラの空き缶もあります。
250mlの空き缶って分かりますか?
あのサイズのコーラの空き缶はかなり古いと思います。
ただ、おそらく数十年前に誰かがいたのは間違いないと思います。
その部屋よりさらに奥があるようでしたが、この空き缶を見つけたあたりで私たちは本当に怖くなってしまい、急いで出口まで戻りました。
1階を調べた結果から、この建物から階段ではこの空間に降りてこられないはずです。
なぜ、そのような空間を作ったのか、机や椅子はどうやって降ろしたのか、誰が何のためにあの部屋にいたのか、全体でどの程度の大きさの空間なのか、オカルトではないかもしれないですが、とても不思議に思った記憶があります。
作り話ではないです。
この建物は今でも存在しています。(数ヶ月前に大学を訪れた際に、まだあることを確認しました)