あれはネズミの断末魔だった?

カテゴリー「不思議体験」

巻き添え規制が解除されたのでカキコ。

霊感ゼロの俺の不思議体験。
謎の猫(?)に助けられた話。

長文になるから先に粗筋を書くと、「大学院入試を控えた俺がネズミ被害に悩まれる」→「謎の猫が現れてネズミを退治」→「ネズミがいなくなり、俺は晴れて大学院合格」となる。

個人的な話だが、俺は今年の4月から大学院に進み研究に励んでいる。
以下は、昨年の12月に卒論を提出し、2月の大学院入試に向けて勉強していた頃の話。

俺は実家を離れ、都内の大学の学生寮で生活をしている。
寮費は一カ月で大体15000円(光熱費込)前後。
今時東京都内でひと月一万円台で暮らせるなんて、俺の様な苦学生や貧乏学生にとって有難い話だった。
しかしながら、この寮の大きな欠点は建物がオンボロだというところ。

1970年代初頭に建てられた、築40年近くになるオンボロ寮だ。
しかしひと月一万円代の生活費は捨て難く、寮生はみんな色々と不自由なのを我慢して暮らしていた。

中でも酷かったのはネズミの被害。
共用スペースや個室など場所を問わず、とにかくネズミが出没し、俺たちの食料品を食い散らかしたり、糞尿を撒き散らしたり、本当に酷かった。
俺たちはネズミ捕りトラップや粘着シート、毒餌などを買って退治しようとしたが無理だった。
大学側にお願いして定期的にネズミ駆除業者を入れて駆除して貰ったが、ネズミが増えるペースの方が早く、駆除は全く追いつかなかった。

そんな中、最も恐れていたことが起こった。
ネズミが俺の部屋に住みついたのだった。

俺は部屋の中に食べ物を置かない、部屋を清潔に保つなどしていたが、ネズミが居ついてしまった。

ネズミ被害にあったことない人は分からないかもしれないが、ネズミは怖い。
寝ていると足を齧ったりする。
芸人の「メッセンジャー黒田」の左耳の耳たぶが欠けているのはネズミに齧られたからだと聞いて(画像検索を掛けると本当に耳たぶが欠けていた)、俺はガクブルしていた。

俺は大学院入試に向けて死に物狂いで勉強をしていた。
しかし夜になって電気を消して寝ようとすると、ネズミたちが活動を始める。
どうやら夜行性らしい。

俺が寝ているとネズミが部屋中を走り回る。
酷い時には布団の上を走り回るし、顔の近くまで平気で近づく。

俺はネズミが走り回る音と体を齧られる恐怖で殆ど眠れなかった。
だから必然的に、ネズミが活動する夜には起きて勉強し、ネズミが休む昼間に寝るという昼夜逆転の生活になった。

だが、大学院入試は昼間にある。
昼夜逆転の生活だと、昼間に脳が働かない。

俺は「このままだとヤバい、院試に落ちる。生活リズムを元に戻そう」と思い、夜に寝る様にした。

俺が夜に寝ると当然ネズミは活動を始めるわけだが、不思議な出来事が起きたその日は、ネズミの活動が特に酷く、俺は眠れない夜を過ごしていた。

ここで話題は、「実家で猫を飼っていた頃の自分」に戻ります。

俺の家では、俺が小さな頃から猫を飼っていて、猫が途切れたことがない。
家族みんな猫が好きで可愛がっていた。
俺も本当に猫が好きだった。

長年猫を飼っていると、当然のことながら、死んでしまう猫がいたり、行方不明になったりする猫や事故に遭ってしまう猫がいたりした。

そういう猫が出るたびに、俺は「俺の飼い方が悪かったのかな」「ダメな飼い主で申し訳ない」「本当にごめんね」とか思っていた。
そんな感じだったから、俺は大学に進んで実家を離れても、それまで飼っていた猫の写真を寮に持って行って、毎朝欠かさず線香を手向け水を供え、「今まで有難う、ダメな飼い主でスマンかった」というのを日課にしていた。

また、寮に一匹茶トラの猫が住みついていて、ソイツに餌をやったり撫でたりして俺なりに可愛がっていた。

またここで話題は、「寮で眠れぬ夜を過ごしていた頃の自分」に戻る。

ネズミの騒音で眠れずうつらうつらしていたら、俺の布団の上にポーンと何かが飛び乗って来た感触があった。
俺が飼っていた猫もよく俺の布団に飛び乗って来ていたから、俺が感じた「ソレ」が猫だと直感的に分かった。

体を起してみると、コタツの上に真っ黒い猫が一匹居て、その猫が俺の方を見ていた。

深いグリーンの目だった。
こんな猫は今まで見たこともないし、寮に住みついている茶トラとは全く違う。

俺は「コラコラ、こんなところにいてはダメだよ。どうやって入って来たの?自分の家に帰らないと」と言って、その猫をベランダの外に出すが、すぐに部屋の中に戻って来る。

その夜は雨が降っていたし、12月の寒空に猫を放り出すのも気の毒な気がして「部屋に居てもいいけど、イタズラしてはいけないよ」と言って、その黒猫を部屋に入れておくことにした。

それからの記憶がない。
どうやら寝込んだらしい。

どれくらい眠ったのだろう、俺は勝手に目が覚めてしまった。
朝の4時30分くらい。

起きぬけにボーとしていると、「ギギギギ・・・ギュー・・・グエ」みたいな何とも形容し難い、断末魔の様な声(?)が聞こえる。

どうやらネズミが苦しんでいる声らしい。
しかし、部屋を見渡すもののネズミの姿は見えない。
そういえば、黒猫の姿も見えない。

俺は猫がいなくなったのが不思議だったが、眠たかったこともあり深く考えずにまた寝た。

不思議なことに、その日の夜から、俺の部屋に全くネズミが出なくなった。
数ヶ月間毎日の様に俺の部屋で運動会を繰り広げていたネズミが、その日を境にピッタリと出なくなった。
本当にピタリと出なくなった。

その日以来徐々に朝方の生活に戻し、院試の為の勉強を続けた。
ネズミが居なくなったので、勉強がはかどった。
そのお陰か、無事に大学院に合格した。

しかし不思議なことがある。
あの日あの黒猫はどうやって俺の部屋に入って来たのか。

入り口のドアとベランダのガラス戸はカギを掛けて閉めてある。(冬だったし寒い)

そして黒猫はどうやって部屋から出て行ったのか。
俺が聞いたネズミの苦しそうな声と、その日の夜からネズミが出没しなくなったことに関係があるのか。

黒猫とネズミの断末魔の声に関係があるのか(黒猫がネズミを退治した?)

俺の家では過去に黒猫を飼ったこともないし、寮に住みついている猫とも違う。
分からないことだらけだ。

何だかよく分からんが、突如現れた黒猫によって、俺が救われたのは事実だ。
有難う、あの時の黒猫。
感謝している。
俺が大学院に受かったのも君のお陰。
君の分まで研究を頑張るよ。

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