もう10年以上前の話。
今でも鮮明に覚えていることがあります。
私が自宅に帰ると台所にお供え用のお菓子がたくさんおいてありました。
花や団子の形をした砂糖で出来たあのお菓子です。
分家の我が家ではまだ誰も亡くなっておらず、仏壇さえありません。
私は誰かに不幸でもあったのか?と思い母に尋ねると「昼間、運転中にとても美味しそうなお菓子が見えたの。車を止めて買いに行ったらこれだったのよ。」と母。
お菓子だけが気になり、店もわからず入ったところがお菓子屋ではなく、葬儀関係の店だったというのです。
私はこの答えに納得できませんでした。
このお菓子はお供えで、自分で食べるために買う人は普通いないでしょう。
しかも母は甘いものが好きなわけでもないですし、我が家にはどう見ても不要のものです。
買ってきた意味がわかりません。
どうするつもりなのか?
食べるつもりなのか?
私は母に聞いてみると「どうしても買わなきゃいけない気がしたのよ。」との訳のわからない答え。
結局、母自身もなぜ買ったのかはよくわからないと言っていました。
結局、自分自身困ったのか「実家の仏壇にでも供えようか?」と母が言ったのを覚えています。
次の日の朝、母の実家から電話が来ました。
叔母が亡くなったと。
叔母はまだ若く、体調が悪かったわけでもありません。
現に家族の話では昨日の夜までは何事も無かったとの事でした。
死因は脳溢血だったそうです。
電話の後、私は背筋が寒くなりました。
私の母は無宗教で、幽霊も信じていなければ霊感があるような人でもありません。
その母がこんな行動をとった次の日に、しかも実家に持っていこうと言っていた日に亡くなるなんて・・・。
それ依頼しばらくの間は、母が砂糖菓子を買ってこないかヒヤヒヤしましたね。
あまり怖い話ではないかもしれませんが、私にとっては怖くて不思議な体験だったので、、お許しください。