そいつは海の主だったのかもしれない

カテゴリー「不思議体験」

長期出張で同じ離島の話。

その日も仕事が終わってから河口近くの波止で夜釣りをしていた。
1投目、仕掛けを入れた直後から竿先が微妙に揺れるので、大げさにアワセをくれて仕掛けをあげた。すると10cm位の赤い魚がぶら下がってる。

お前どうやってエサを口に押し込んだんだ?って感じで針に掛かってもないのにエサを咥えたまま上がってきた。
アヤメエビスか?

何だか可笑しくなって魚の口からエサを外し逃がしてやった。
しばらくプカ~ッと浮いていたが、バシャッと泳いで逃げていった。

その後、仕掛けを入れたが当たりがない、飲んだビールの酔いもあってウトウトしてたら「ねぇ、釣れるよ」って声がして目が覚めた。

すぐに竿先の鈴が鳴って50cm強のコロダイが釣れた。
誰が声を掛けてくれたのか周りを見回すがだれもいない。

不思議に思ったが次の仕掛けを入れてまたウトウト...。
「大きいの釣れるよ」って声がしてまた目が覚めた。

すぐに竿先の鈴が鳴って、今度は60cm弱のゴマフエダイ。
やっぱり周りには誰もいない、不思議と怖い感じは全然なかった。
いるはずのない、小さな子供みたいな声なのに、何故だろうね。

もう一度仕掛けを入れてまた居眠り。
すると耳元で少し切羽詰まった声、「起きろ、雷だ!」と。

飛び起きて風上の空を見ると黒雲が湧いて雷光がピカピカ。
慌てて仕掛けを片付け車に避難、間一髪セーフ、濡れずに済んだ。

もう一度辺りを見廻したが、やっぱり周りには誰もいない。
車の中で朝まで仮眠してアパートに帰った。

そのまま昼寝してたら夢の中で幼なじみの従姉妹が乙姫様のコスプレで登場し、「世話になった。だがもう少し気をつけて釣りをしろ」って言ったところで目が覚めた。

今でも全然意味がわからない。
因みにその従姉妹は結構な美人で巨乳だ。
ますます意味不明。

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