アパートや宿舎関連の話が多くなってきたから思い出した。
私の友達が大学の宿舎に入っていた頃に体験したエピソードです。
仮名をAとします。
セリフとかは聞いたのをもとに多少脚色有り。
Aは大学入学と同時に大学の宿舎に入った。
宿舎はとびきりきれいというわけではないけどボロッボロでもないらしい。
Aにとってはあこがれの一人暮らしデビューだった。
親の束縛のない生活に浮かれていたAは私たちがホラー映画を観ているときに気づいた一人暮らしの怖さなんてまったく気にしてないというより忘れていた。
不可解な物音が聞こえてもどうせ両隣の子の部屋から聞こえてくる物音だろう?と気にもしないとか・・・。
Aが隣室の子と調理室で話しているときにその話題は出た。
「意外と一人でいても怖くないよね」
「変な音聞こえても隣の部屋の音だろって思うし」
「うんうん・・あ・・でも・・そういえば私下から音がしたことあるな」
「下から?うわーなんか怖い!」
そう、A達は1階住民で上から、両隣からの足音騒音は常日頃だが下から音がするはずがない。
Aは下からの音なんて聞いたことがなかったので、その話を聞いた時はへ~ネズミでもいるのかなーなんて思っていた。
その日の夜、サークルもなく明日の宿題もなく、ボケーッと暇してたAは調理室で聞いたその話を思い出して、暇つぶしに一人遊び的に床にねっころがって、硬い床を、コンコンと叩いた。
「誰かいる?」
何も音がしないじゃないの・・・。
Aが笑って、さて寝るか~と体を起こしていた途中「はぁい?」と、40代の品のいいおばさんのような声が・・・。
床に置いていたAの手の真下から聞こえてきたらしい。
はっきりと、明らかに床の下から。
Aは一目散に部屋を飛び出して調理室に駆け込んでしばらくそこで気を落ち着かせた。
なんだあれ!?
管理人さんはおじさんだし、おばさんなんていないし、床の下から声がするなんて・・おかしいよ!!
パニック、朝まで部屋には帰れなくて夜中調理室の電気つけてこもってたんだと。
そんな生活続けていられるわけもないので、翌日Aはそんなことしても効果ないと思いつつ気休めにバルサンをたいてみた。
実はこのことが以外にも効果を発揮したんだけど・・・。
その間隣室に避難して下から声が聞こえたことを話しながら、んなバカな~と言い合ってると、二人の第六感的なものが反応して何かが近づく気配を感じた。
そしてそれは当たり、Aの部屋の方向から聞こえてきた。
バタバタバタという音がこちらに瞬時に近づいて、またバタバタバタ!と響かせながら通り過ぎて行ったのだ。
それはそれはでかい音だったらしい。
5秒くらい二人で目を見合わせていたら外から「こらああああ!」と、管理人のおじさんの声が。
急いでベランダに出てみて事情を聞くと、おじさんが外で掃き掃除してたら突然蛇がズルズルと逃げ出してきたんだって。
真っ白な蛇が。
一件落着?
下からの音は蛇だったのか~。
でも「はぁい」ってのは聞き間違えじゃないの~?と平穏無事な生活に戻るのかと思いきや、次の日から今まで普通並だった虫の出現度数が一気に上昇。
蛾は出るわGは出るわアリはすぐのぼってくるわで大変だったらしい。
バルサンしたのに・・・。
その宿舎はAのいる年まではまあまあ暮らせる宿舎的なレベルだったのに、翌年からは虫屋敷として後輩を脅かすほどになったという・・・。
A曰く、もしかしたら下に潜んでた白蛇が虫とか食ってくれてたのかな、悪いことしたな・・と反省している。
私はオカルトメルヘン脳なので神様だったのかもよと思わず考えたくなってしまいます。
はぁい?っていったのははっきり聞こえたらしいし・・・。
蛇ってカエル食べてるイメージあるけど、虫とか食べるのかな?
以上駄文失礼しました