白い手を俺は信じる

朝目覚めると、体調がかなり悪い。
今日は休むしかない、と判断した。

約束があったのでキャンセルの電話をしなければならない。
横になったまま、右手を伸ばし受話器を掴んだ。
冷たい、ツルツルした固い受話器の感触。
掴んだまま2分ぐらいたった。

なんとしても電話しなければと、やっと上半身を起こした。
片手をみると受話器がない。
電話は2メートル離れたところにあった。
寝ぼけていたのだろうと、その時は思った。

震災の後、地元なんでTVで津波に流された人達のインタビューが増えた。
元気そうなおばちゃんが答えていた。

「14歳の娘がいるんです。なんとしても、もう一度会いたいと思いました。流されながら、木を掴みました。木は手の届かないところにあったんだけど、手から白いものが伸びましたよ」

この話をすんなり信じることができた。

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