あの部屋だけはやっぱり何かいるらしい

カテゴリー「不思議体験」

ビジネスホテルの夜勤フロントでバイトしてるんだが、よく客からルームチェンジの要望がある。

ほとんどの場合、タバコの臭いが気になるからやっぱり禁煙部屋に変えてくれだとか、もっと眺めのいい部屋に変えてくれって理由が多いんだが、中には「夜寝付けない」だとか「なんかあの部屋は気分が悪くなる」といった曖昧な理由もあるんだ。

まだバイト入りたての頃、ルームチェンジの履歴を整理してて見て気付いたんだ。

「夜寝付けない」
「気分が悪くなる」

そういった理由でチェンジが出てる部屋が、いつも同じ。
それも全部お客さんが一人で泊まったときばかり。

不思議に思いながらもその夜は、一人で泊まってるお客さんがその部屋を使用していた。

普段は1:00~6:00はフロントって全く人が来なくて暇だから、本読んだり居眠りしてるんだけど、その日は深夜2時を回った頃かな?
フロントに泊まり客が訪ねて来た。

なんか寝ぼけてるのか、目が大きく開いてて、キョトンとした顔。
どうかなさいましたか?ってこっちが尋ねるまで無言だった。

「すみません、部屋変えてもらえないでしょうか・・・」

うわー、マジかよ面倒くせえな~とか思いながらも使用してる部屋のナンバー聞くと・・・例の部屋だった。

これはなんかあるぞ・・・と思って、仮眠取ったあと社員に聞いてみたら、「うん、あの部屋『何か』いるんだよね」と、やっぱり有名だったらしい。

でも創業から自殺があったとか、そういう類の話はないらしい。

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