小学生の頃にあった怖いというか不思議な話。
当時、クラスでイジメられていたAという奴がいた。
俺はイジメには参加しなかったものの、色々あって無視はしていた。
夏休みのある日。
同じクラスの奴からAが死んだという情報が入ってきた。
しかも「○○県の海(日本海側で自分達の住む地域からはかなり遠方)で家族+親戚と遊泳中に同じ歳の従兄と一緒に波にさらわれて二人とも死亡」という
凄く具体的な話だった。
Aとは親しくなかったものの、気になって急いで友人とAの家にいってみてチャイムを鳴らしたが誰もおらず。
これは本当じゃないのか!?と大騒ぎになった。
夏休み終盤のプール登校で単に田舎に帰っていただけだと判明。
クラスのほとんどの奴が噂を聞いていたことも、この登校でわかった。
何となくその時、クラスでイジメをしていたことに対する罪悪感や直接イジメに関与していなかった奴らも、無視していたことに対して罪悪感を覚えたのか
この夏休み以後、Aに対するイジメはなくなった。
そのまま時間が過ぎて、翌年はクラス替えがなく持ち上がりで、担任だけ変わった。
そして夏休みになると、またAが海の事故で死んだ、という情報を聞いた。
ただ今回は、たまたま公園で見かけたクラスの女子から半笑いで「ちょっと聞いてよ。なんかまたAが海の事故で死んだって噂流れてるよ~」と言われて「またかよ~」と笑いながら返した。
ところが、夏休み終盤のプール登校の時、この噂が事実だとわかった。
先生の話は詳細がわからず、既に葬式等も終えているため、俺は友人と連れ立って図書館にいき新聞をみた。
ただ、時期的に「○○の海で小学生2人が行方不明」というタイトルのほんの小さな記事しかなかった。
当時別の大きな事件があり、紙面のほとんどはそれに割かれていたからだ。
そこに載っていたのは、親族たちと海に遊びにきていた小学生2人が高波にさらわれて行方不明、というものだった。
必死で探したが続報(死亡記事)は無かった。
そして、お察しの通り、この○○の海というのがちょうど1年前に俺たちが噂で聞いた県にある海だった。
ただ、違っていたのは「同じ歳の従兄」ではなく「1才年上の従兄」ということだった。
ちなみにその従兄も死亡したかどうかはよくわからないままだった。
あの噂が何だったのか、未だによくわからない。
悪意のある誰かがイジメの一環で流した噂がたまたま実現したものなのか?
それとも・・?