実際体験した話。
高校のころ、夏休みも近いある日。
「学校で猫が捨てられていたので職員室前であずかっている。明日中に引き取られなかったら保健所に連絡しなきゃならない」と担任が帰りのホームルームに告げた。
猫は大好きなのだが絶対見たら拾いたくなるのであえて無視を決め込んだ。
生徒数はかなり多いし、誰かに連れて帰られるに違いないと思っていたのだが、たまたま図書室にいたら部活の後輩が飛んできた。
俺はその時、文芸部(漫画研究部兼ねたような感じだったが・・・)人数もあまり多くないから部室は古い建物の6畳くらいの窓もない部屋。
で、ドアも古いからちょっと鍵開けるときに加減誤るとオートロックになる。
その状態で部室の鍵を中に置いたまま後輩たちが外に出てしまったそうだ。
仕方ないので職員室に鍵をもらいに行ってやると、猫と目があってしまった。
茶トラで体の下側が白しろい八割れのメス猫、青い目がかわいかった。
みゅうみゅう鳴いてじゃれついてるのみたらどうしてもほっとけなくなった。
たまたまその日学校までの迎えを頼んでいた母親を説得し、家に連れて帰った。
ノミまみれで大変だったがそれでも一生懸命世話をした。
6日目の朝にはよちよち歩きで頑張って家の廊下を歩いていた。
中学生の弟が一緒に歩いてやって笑ってた。
けどその日の晩から体調がわくるなって7日目の朝、息を引き取った。
すごく後悔した、元気そうだと油断せず病院に連れて行けばよかったと後悔した。
だからまあ月並みなんだが「生まれ変わって帰って来いよ」っていった別れを済ませた。
ちなみに猫が死んだとき俺は学校に行くバス停で猫の声と錫の音を聞いた。
ヘッドフォンしてたはずなのにやけにはっきり聞こえて思わず猫の姿を探した。
結局猫の姿はみなかったが気になったので母親にメールしたら、その時間に息を引き取ったといわれた。
その一件があった翌年の3月くらいのことだった。
家の中で幽霊を見ると弟と二人で話した。
弟が言うには洗面台には年の離れた妹用の踏み台が置いてあり、洗面場への入り口に暖簾がかかっている。
その暖簾の下から踏み台が見えるのだが、そこに子供の足があって乗っていたという。
最初は妹かとも思って暖簾を持ち上げて確認したら誰もいないとのことだった。
俺は俺で顔を洗っていたら腕の下から入る視界のなか、洗面場の入口で子供が覗き込んでいるのを見た。
青地に白い足跡模様の着物を着ている子供、ビビって顔を上げたら誰もいなかった。
しかし幽霊にしちゃ変った柄の着物を着ているので印象に残った。
でも思い当たる節はない。
住んでいるマンションは新築で購入された物だし、住み始めて10年近いので何かあったとすればもっと以前から気付くはずなのに・・・。
二人でそんな話をした矢先、しばらくして幽霊は見なくなった。
それから少しして親父が仕事仲間から猫をもらってきた。
去年の猫の代わりに、ということらしい。
その猫はオスで白黒の八割れ、目は金色、尻尾は前の猫と同じく途中で折れてて、尻尾が同じ形なんてすげえ偶然だなとおもっていた。
数日たったある日、猫が日向で寝ていてびっくりした。
日に透けた毛の色はトラ模様。
ガチでまえ死んだ猫かと思ってびっくりした。
でもふと思い返せば、避妊手術するのに簡単かつ手術費用も安いからって「オス猫になってかえってこいよーそしたらずっと飼ってやれるからな」なんてぼそっと言った気がしないでもない。(死んで悲しんでたのになんでそんなとこに頭が行ったかは不明、悲しすぎて壊れていたのかもしれない)
そんな俺の身勝手な願いが原因でオス猫になって帰ってきたのかと思ったら、なおさら大切にしようと思った。
まあでも思い込みでありたいとおもっていたのだが・・・たたみかけるかのごとく決定打があった。
親が子猫にって首輪かってきた。
青地に白い足跡模様のついた首輪。
例の幽霊の着物と同じ柄・・・。
・・・どうやらわざわざ事前に「もうすぐかえるから」と御挨拶に来てくれたらしい。
いやあんまりできすぎてるんでしんみりしつつもかなりトラウマになった。
その猫は今日も元気に飯食って寝てる。
和菓子食う以外は割と普通の猫のはずなんだが・・・。
俺の命を救ってくれたことがあったり、友人が猫が扉の前で鳴いてる時不意に女性の声で「開けて」というのがきこえたり、かなり不思議体験が幾度もある。
そんなことがたくさんあるので、ガチで猫又なんじゃと疑っている。