自分が5歳か6歳の頃なので、20年前ほどのこと。
香茸(コウタケ)を採る目的で家族で入った山、そこで不思議な骨を発見したことがある。
大きさは十五センチほどで、樹の根元に何本も積み重ねるようにしてあったのだが、その骨が今思い返してみても実に珍妙な形をしていた。
形自体はちょうど、あの犬に食わせるほねっこみたいな感じだったんだが、両端の関節部分の膨らんでる金平糖みたいにトゲ、というか隆起があった。
随分悩んだんだが、あの骨を言い表す言葉が見つからん。
とにかく、骨っ子の両極端が異様にトゲトゲしてるみたいなものを想像してくれ。
俺らは気味悪がって、それを摘んだりつま先で蹴飛ばして「何の骨だ?」と相談し合ったんだが、こんな骨が存在するわけがない。
結局、放置してきたけど、あれはなんだったのだろう。
そもそも骨だったのか?骨という割にはまったく同じ形のものが複数あったのだが。