住職さんもその拾った物を厄介に感じていた

カテゴリー「不思議体験」

先日まで自分の身に起きていたことを話します。

超長文・超駄文・日本語の拙さが目立ちますがよろしくお願いします。

僕は休日、時間に余裕がある、尚且つ天気がいい日は4時間半ほどかけて散歩に出かけるようにしています。

ルートやペースに決まりはないのですが、できるだけあまり通ったことのない道を歩くようにしています。

先月のある土曜日、いつものように散歩に出かけました。

お世辞にも綺麗とは言えないような、暗く、狭い道を歩いていると、こちらから見て右側の側溝のそばに、可愛らしいオレンジ色のきんちゃく袋が落ちていました。

模様や絵柄もついていない、シンプルなきんちゃく袋。
落とし主に悪いと思って中身は見ませんでしたが、持ってみると少し重みがありました。

本当ならその場に戻すわけにもいかないのですが、落とし主が探しに来るだろうと変な期待をして、汚れを落としてから、比較的きれいだったコンクリートに置いておきました。

この日を境に毎晩奇妙な、同じ夢を見るようになりました。

最初に見たのは翌・日曜日の夜。

夢の中で僕は、子供の頃の姿で十数年前通っていた小学校の運動場に立っています。

しばらく正面の校舎を見つめた後、右を向くところからおかしな夢が始まります。

右を向いた視線の先に、白を基調にしたパーカーにジーンズ、短く束ねたおさげの女の子が、こちらを見ています。

しばらく見つめあっているうちに、僕はその子が「サトミ」という名前の自分の姉であることを思い出します。

しかし、僕には姉はいません
。一人っ子です。
でも僕は、夢の中で見るその女の子を、はっきりと「姉」であると認識しているんです。

あるはずのない記憶を思い出しながら、だんだんと体が崩れ落ちていき、砂の上にうずくまりながら泣きじゃくって、夢は終わり。
そのまま目覚めます。

しばらくそんな夢を見続けていたのですが、きんちゃく袋を拾った日からちょうど2週間後の土曜日。

毎晩見ていた夢に大きな変化が出始めました。

僕がいないはずの姉の「サトミ」という名前を永遠と叫んでいたり、その子ががけん玉で遊んでいるのを遠目から見ていたり、シートを広げて二人でおままごとをして遊んでいたり。

正直怖くなってきていたのですが、本当にびっくりしたのは夢が始まってすぐ「ねえ」とサトミから真横から呼びかけられ「どうして閉じ込めちゃったの?」と問われたんです。

当然こちらには意味がわかりませんので「えっ?」と聞き返すと

「あんな暗いところに、一人ぼっちで。」
「救われた気がしたのに、裏切られた気分だよ。」

「やっと出られると思ったのに。明るい場所に出られるって。」
「ねぇいつなの?いつ出してくれるの?ねぇ。」

と、こちらが口を挟む間もないほどのペースで尋問されました。

意味がわからなかったけど、直感的にあのきんちゃく袋と何かあるのかもと思い、「きんちゃく袋?あのオレンジ色の・・・」と質問を言い終える前に、なんとサトミはスッと音もなく姿を消してしまっていました。

そのまま視界がどんどん暗くなっていき、汗をびっしょりかいて目を覚ましました。

もういよいよ本当に怖くなって、翌日財布をすっからかんにする覚悟で、家からだいぶ離れた神社に祓ってもらいに行きました。

しかしそこの人には「何も問題ない。」と言われ、断られてしまいました。
もやもやしたまま渋々自宅に帰り、靴を脱ごうとして下を見ました。

すると、ドアの前に、土曜日に拾ったオレンジ色のきんちゃく袋が落ちていました。
男ながら情けないのですが、「あああああ」と悲鳴を上げてしまいました。

腰を抜かして玄関で座り込み、しばらく袋を見つめていましたが、恐る恐る袋をつまみあげてみると土曜日に拾った時のような重みはなく、中身もなくなっているようでした。

袋やその後に見た夢のことは誰にも話していませんので誰かのいたずらというのも違う気がして、ますます怖くなりました。

袋を持ってもう一度神社に向かい、もう一度ちゃんと見てもらうことにしました。

すると住職さんは「とんでもないもん拾ったねあんた」と苦い顔をしながら言いました。

住職さんが言うには、きんちゃく袋の落とし主が、憑き物(霊とか悪い気とか、そういう類)を落とすか、拾った誰かにそういったものをなすりつけるためにわざと物を落としていった可能性がある、というもの。

似た話をオカ板か何かで読んだことがあったので、なんとなく理解できたのですが疑問に思ったことを住職さんに聞いてみました。

「今は空っぽですけど、土曜日に拾った時は、中身が入っていたんですよ」
「えっ。その中身って言うのは何なのかわかるの?」

「いえ、見てないです」
「そうかぁ。」

ため息交じりにそういうと、

「家の中に何かがあるかもしれんから、ちょっと見に行かせて。」

住職さんが運転する車に乗せてもらい、自宅に向かいました。

玄関を開けてしばらく進むなり「あぁ、やっぱりそうか」と腕を組む住職さん。

「怪しいものがないか探すから、ちょっと出ててもらっていいかな」とドア前で待たされることほんの数分。

「それらしいものは見つかったから、あとは神社で祓えばたぶんおしまいだよ」

神社に戻ってお祓いが済んだあと、住職さんが袋の中身を見せてくれました。

袋から転がってきたのは、大小様々、色にもばらつきがあるビーズでした。
僕に憑いていた女の子の霊は、住職さんに自分のことを事細かく話してくれたそうです
詳しく聞くと、僕の夢の中に出てきた女の子の名前は確かに「サトミ」だが、彼女もまた僕と同じく一人っ子。

優しくしてくれていた近所のおじさんが亡くなり、生前にもらったきんちゃく袋と中身のビーズをお守りとして持ち歩いていたらしい。

しかし僕が袋を拾った場所に落としてしまい、見つからないまま、車の飲酒運転が原因で起きた事故に巻き込まれて13歳で短い生涯を終えてしまった。

その残留思念が拾われないままのビーズに宿り、生きている家族の家に変える手段をずっと探していたらしい。

それを僕が拾ったがそのままにしてしまったため、悪さをすることにしたそうです。
僕に姉がいるように見せかけて困惑させていたと。

さすがに馬鹿馬鹿しいとは思ったけど、女の子には悪いことをしたと思います。
警察なり市役所なりに届けていればよかったと、自分を強く恥じました。

今はもうこんな風な夢は見ませんし、袋も神社に預かってもらっています。
案の定お金は吹き飛びましたが、これを天罰だと思って、拾ったものはどこかに届けるようにしたいとおもいます。

以上で終わります。
最後まで読んでくれた方、ありがとうございました。

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