どうしてもそれを見に行きたかった

カテゴリー「不思議体験」

十年以上前に起こったこと。

山の中にある神社の祭りに毎年友人と行ってた。
ちょうど半分位登った崖側の位置に若干開けた場所があって、日の出を見るのにうってつけなので、テントを張って泊まる人も少ないながらいる。

ただ登山道を挟んで逆の位置も開けてるんだけど、ボロい納屋みたいなのがあって、そちら側に人がいるのは見たことがない。

ある年、祭りが終わって下山する時に「あの納屋を見よう」と言い出した。

俺は拒否したけど「なら俺一人で行くから休憩してろ」と言われて待つことにした。

そこそこ待ってようやく出てきたが、ヤバい物でも見たのか真っ青な顔で頑なに口を閉ざして早く帰ろうといったので、モヤモヤしつつも山を降りた。

その後も祭りには行くんだが、おかしなことに納屋の場所まで来ると中を見に行く、と行って足を運ぶ。

あの時あれほど恐ろしがってたのに。
そして合流すると青ざめた顔で何があったか聞いても絶対に答えない。

俺自身は正直ビビりだから絶対行ってなかったが、それは正解だと思っていたし正解だと知らされた。

祭りの時期が近づき連絡を取ったが、電話が使われていないとアナウンス。

仕方なく友人の親に電話して連絡先を聞いてみるが、何と一週間ほどから突然音信不通となっており、誰一人行方が分からないと。
心当たりはないかと聞かれて、ふとあの納屋のことがよぎった。

俺はその納屋のこと、その時の言動も話した結果、心当たりや手がかりがないこともあってダメもとで見に行くことになった。

友人はいた。
死んでいた。
怖くなって俺はすぐ納屋を離れたからはっきり姿を見ていない。

ただ後から聞いた話を総合すると、意味が分からない姿だったらしい。

ぱっと見怪我等は見当たらず綺麗な状態だったらしい。
でも右半身を覆い尽くす御札が貼られていたと言っていた。

御札を剥がした部分が腐っていたと言われた。
行方不明になったのは一週間前なのに、そんな短時間ではありえない腐り方らしい。

そして何より恐ろしかったのは、友人の携帯のトップ画面が友人と俺の写真になっていたこと。

しかも格好や構図的に、友人が初めて納屋に向かった年の、納屋の方向から撮られたものだったことだ。

それ以来あの祭りに行かなくなった。その山自体に近づかなくなった。

友人はなぜ納屋に二度目以降も行ったのか、あの死に様はなんだったのか、何であんな写真があったのか。

知りたいとも思うし、知りたくもないと思う。

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