「死ぬほど洒落にならない怖い話」スレで前にあった「ヤマノケ」なんだけど先日ニアミス(?)した。
年末、古くからの友人4人(全員女)で山形の東根の温泉旅館に忘年会をかねて泊まった。
お酒も入ってみんな日ごろのうっぷんを一通り話し、2時ごろに就寝。
部屋は12畳ほどの和室で、畳に布団をのべてあった。
3つの布団を5畳に並べ、後の1つの布団は机の脇に敷いていたので、たとえ並べられた3つの布団の真ん中であっても両脇の布団とは30センチは離れており、多少寝相が悪くても大丈夫という状態。
逆に言えば、隣に何か起こっても手を伸ばしたくらいでは届かない距離。
私は3つ並んだ布団の真ん中に寝た。
しばらく眠ってふと目が覚めた。
時間はわからないが、4時近いのかなと感覚的に思った。
さっと寝たまま周囲を見回すと、みんな寝静まっている。中庭に面した窓の障子から少し明かりが透けて見えた。
外灯なのか朝日で明るくなりつつあるのかわからなかった。
とにかくまだ真っ暗と言っても差し支えない暗さだったので、無理にでも寝ることにして目を閉じた。
と、頭の上、枕の自分から左側から「トントン」と音と振動があった。
誰かが指先か何かで枕の端を叩いた、と感じた。しかし左側で寝ている友人は明らかに寝ている。
寝返りをうったくらいでは、手は枕に届かないのだ。
そして友人はすっぽり布団にくるまっているので、その状態から枕を叩くのであれば、まず布団から出る音が聞こえなくてはいけない。
一瞬目を開けようかと思ったが、もし何かいても友人をすぐには起こせないので、「ああ、気にしないで寝よう」と思って無理に目を閉じたままにした。
すると、今度はその、自分の枕の真上の方に何かが立っている気配がする。
それはもう強烈な気配で、しかも閉じたまぶたにその映像が見える。
最初、からかさおばけ?と思った。
足が一本しかないのがわかる。大きな目がこちらを見下ろしているのもわかる。
でも、得体の知れなさと、「目を開けて見てしまったら取り返しがつかなくなるだろう」という変な確信が沸いてきて「そんなものはここにはいません」と一心に思って強引に寝た。
先日、一本だたらという妖怪の伝承で、12月20日に現れるといい、それがどうも山形と宮城の途中で目撃された「ヤマノケ」と酷似しているという記事を読んで、山形で出会った一本だたら、ヤマノケだったのかなと思ってぞっとしたので書いてみました。
ちなみに、「一本足で目が一つのばけもの」というのは、笹谷峠で出没するという怖い話が昔からありました。
ただ、自分の脳裏に浮かんだものについては、その時はぜんぜんその笹谷のおばけと同じだとは思いつかず、ヤマノケの話もかなり前に聞いていましたがピンと来ず、今回一本だたらとヤマノケの類似を扱った記事をたまたま読んで「この外見は」と思い当たった次第です。